内容説明
『エリアス・ザウエルの人喰いピアノ』と呼ばれた古きグランド・ピアノ。華族の名家、柚森の令嬢・史緒はそのピアノによる奇怪な企みにからめとられ、かつてピアノ教室で一緒だった鳴海歩に救いを求めた…。ピアノに隠された秘密とは何か？そして歩の推理が導き出した真実とは！？ガンガンＮＥＴにて大好評掲載中の「名探偵鳴海清隆―小日向くるみの挑戦」から３編も同時収録。
著者等紹介
城平京［シロダイラキョウ］
６月１５日生まれ、奈良県出身。第８回鮎川哲也賞最終候補作「名探偵に薔薇を」（創元推理文庫）にて長編ミステリデビュー。１９９９年８月号より、少年ガンガンにて「スパイラル―推理の絆」の連載を開始
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ＠2019.11.2～一時休止
43
表題作よりもおまけ？のタコの話がイイ。2014/02/05
ひめありす＠灯れ松明の火
27
半年に一回位、猛烈に読みたくなってしまうので、本棚の隅っこにひっそりと置いてある『小説スパイラル』。今回は趣向を変えて、推理劇ではなかったです。なので、推理小説かといわれるとちょっと微妙なのですが、この人の描く正気と狂気の間の人々が好きです。もの凄く頭も切れるし論理も通っているし、おまけに努力も欠かさないけれど、基本が徹底的に狂っている、そういう人達。しかし、鳴海兄弟はフラグを立てすぎだ。まどか刑事と言い、いずみ先生といい、史緒さんといい、お目目がハートになっているぞ。この兄弟が一番狂気と正気の間の人かも2012/07/06
coco夏ko10角
19
本編1つ・くるみ3つ収録。「エリアス・ザウエルの人食いピアノ」同じコップで水を飲んだ仲、であの状況を思い出して笑ってしまった。 「青ひげは死んだ」『浴槽の花嫁』のくだりで無駄にドキドキ。 これはうまくできてるいい短編ミステリ。 「カニの香りの悪魔」肝心のミステリよりも授業参観を想像してニヤニヤ。 「ハイスクール・デイズ」改めて10代の清隆は（色んな意味で）すごかったなぁ。2014/05/18
ひろ
17
「エリアス・ザウエルの人喰いピアノ」は古いグランドピアノに纏わる謎の真相を、ひよのパートと歩パートの二部構成で描く。地味なホワイダニットを地味に伏線張って～という著者の控えめなコメントと裏腹に、丁寧な論理展開と落し所の巧さが際立っていて素晴らしい。原作とこっそりリンクしているのも嬉しく、理緒との病院での対決シーンを思い出して懐かしくなった。「青ひげは死んだ」「カニの香りの悪魔」も短編ながら良く出来ていて面白かった。2015/03/22
白火
8
ああうん、毒持ち海洋生物って怖いよヒョウモンダコに限らず…と、現在はそんな辺りを選考する学部にいたりする私は遠い目をして思ったり。再読なんだが、初めて読んだときはぴんと来なかったんだよね。ちゃんと勉強してからこのエピソード読み直すと「うわあ」になる。2014/10/18
