内容説明
なぜお金持ちは寝ているだけでお金が増えるのか?なぜたくさん働いてもお金は消えていくのか?なぜ借金がこんなにかさむのか?エンデのファンタジー世界からお金の本質が見える。
目次
序章 エンデの夢見たお金を求めて
第1章 経済ってなんだろう
第2章 エンデをめぐるお金の考察
第3章 エンデが示してくれた道
第4章 忘れられた経済学者、ゲゼルへの旅
第5章 対話―お金の白魔術お金の黒魔術
第6章 アルゼンチンで見た「新しいお金」の衝撃―世界最大規模の地域通貨RGT
終章 「カジノのお金」から「パン屋のお金」へ
著者等紹介
子安美知子[コヤスミチコ]
東京大学教養学部、同大学院比較文学科に学び、ドイツに留学。2001年まで早稲田大学教授を勤め、現在同大学名誉教授
広田裕之[ヒロタヤスユキ]
1976年福岡県生まれ。2000年3月に九州大学文学部卒業後、現在東京大学大学院総合文化研究科修士課程に在籍し、地域通貨を研究中。高校在学時よりミヒャエル・エンデの思想、とくに社会観や経済観に深い関心を持ち、エンデ独特の世界観が漂う文学作品の基盤について勉強を始める。また、エンデ研究とは別にスペインやポルトガル、中南米の文化にも強い関心を持っていたこともあり、世界の地域通貨の事例の中でもとくに南米のアルゼンチンRGTを中心に調査を行なっている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
獺祭魚の食客@鯨鯢
64
カジノとパチンコは同じギャンブルで論争が尽きないのはなぜか。営業自粛の目のかたきにされていることなど、濃厚密接以前の問題が横たわっています。 横浜市がIRに手を挙げていることはとても象徴的です。外国人観光客を長崎の「出島」のような閉鎖空間で管理してインバウンド収入を目指します。いわば豪華クルーズ船のリゾート施設化です。 横浜は幕末米国との条約で初めに開港した港の一つで、中心街「関内」は外国人居留地と地元とを区切る「関の内側」の意味です。歴史は繰り返すことを感じざるを得ません。
iwri
4
この手の本としてはよくある内容と構成。エンデの貨幣観以外の考え方にも触れている点は、他の本ではあまり見られないので、そこは評価したい。子安美知子さんとの短い対談がついており、子安さんのお話がとてもよい補完になっている。独特なのは、アルゼンチンの地域通貨の取り組みの報告だろう。ただし、『オリーブの森』でエンデが語っている教育の話をゲゼルと結びつけてみたり(あれはかなり明確にヴァルドルフ学校モデルが念頭にある)、エンデ本としてはイマイチ。2012/06/23
kino
2
エンデ関連本のひとつとして読みました。想定していた内容ではなかったですが(ブンガク寄りだと思ってた)、経済本のひとつとして楽しめました。良い本だった。2018/08/12
天音春子
2
投資などの生活に必要でないお金と生活に使うお金について書かれている。 10年ほど前の本だが地域通貨は今はどうなっているのだろう? 2014/03/31
Humbaba
2
資本主義は、多数の人間の必死な努力により生み出された富を、一部のお金持ちが搾取して自分の生活のために使用する。それを避けるためには社会主義という方法がある。しかし、努力してもしなくても同じだけの成果しか得られない状況下では、人は努力しなくなる。そして、それによって社会の力はどんどん衰退してしまう。2013/07/30
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