内容説明
「廃屋の中で発見されたジャクリーヌ・ケネディの従姉妹」「『ティファニーで朝食を』のモデルとなったエッセイスト」…etc.20世紀を駆け抜けた彼女たちの、世にも不思議な物語。
目次
グレイ・ガーデンズの囚われ人―イディ・ブービエ・ビール
寂しがりやの人形絵本作家―デア・ライト
ジーグフェルド最後の舞姫―ドリス・イートン・トラヴィス
路上で死んだフォーク・シンガー―カレン・ダルトン
テレビスターになった料理研究家―ジュリア・チャイルド
嘘つきなテキスタイル・デザイナー―フローレンス・ブロードハースト
「ニューヨーカー」の孤独なコラムニスト―メーヴ・ブレナン
アーティストたちを虜にした美神―キャロライン・ブラックウッド
ハーレムの天才少女ピアニスト―フィリッパ・スカイラー
カリスマ主婦デザイナー―ドロシー・ドレイパー〔ほか〕
著者等紹介
山崎まどか[ヤマザキマドカ]
1970年東京生まれ。清泉女子大学卒。ウェブサイトRomantic au go!go!を主宰。女性誌、映画雑誌、カルチャー誌でも活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アノニマス
9
20世紀のアメリカで、時代の先を行きすぎて報われなかったり報われたりした女性たちの伝記集。 男装のジャズピアニスト以外知らない人たちばかりだったが、現代のインテリアや音楽のルーツの発見が多々あっておおっ!となった。女性初のコミック作家、ジャッキーオーメスをググったが出てこなかった。パティジョーがどんな絵柄なのか知りたかったので残念…。2021/10/20
FuSa
7
日本ではあまり有名ではないけれど20世紀に『事実は小説よりも奇なり』を地でいった女性の生涯を集めたエッセイ。永遠の少女性とか、カリスマ性とか、バリキャリの走りみたいな人とか、とにかく色々な女性が登場するけど、共通してるのは、枠に収まらないどころかバキバキに壊して飛び出してるように錯覚しちゃうくらいエネルギッシュなところかなぁ。2016/05/05
水蛇
4
あんなになんでも満たされて何不自由なかったのにつねにうっすらこころぼそかった少女時代が果てしなくつづく合わせ鏡の世界に入った気分になれる。いまこんなに幸せなのにパパもママもいつか死んじゃうの?とか、お気に入りの白いレースのワンピースで遊びまわるのを親はにこにこ見ててくれて楽しかったけど裾を破っちゃって悲しかったとかそういう切実さってなかなか忘れられない。ここにいる20人はそういう世界で奮闘した女性たち。才能とエネルギーとさみしさに溢れて駆け抜ける姿はまさしくガールズ。
ロピケ
4
エキセントリックな女性が沢山登場。以前読んだ、タキの『ハイ・ライフ』の世界にもつながる。一番魅力的に思えたのは、キャロライン・ブラックウッド。今話題のハンナ・アーレントの人脈にもつながったり、二女(母譲りの美貌なんでしょうか?)がジュリアン・サンズと結婚していたり。中でも、天国で幸せになって欲しいと願ったのは、キャンディー・バー。山崎さんがあとがきで誰とは言及していないけれど、「もしかして自分が生きたかもしれない悲劇を肩代わりしてくれた姉のよう」と書いていたのが心に残る。2013/12/20
crpsclr
4
日本ではあまり名前が知られていない20世紀半ばに活躍したアメリカ人女性たちの伝記の抄録。一般的な意味での成功者よりも、自分の夢を追求した独特な女性たちについて。その多くは夢破れて孤独に死んでいった女性だが、後世に大きな影響を残している。どんなに傷つこうとも妥協せずに独特のヴィジョンを追求した彼女たちの姿を見て、なぜ『イノセント・ガールズ』という題名なのか分かった気がした。巻末に主要参考文献の洋書が記載されているので、時間があったら読みたい。独立独歩の女性監督ドリス・ウィッシュマンの映画に興味を引かれる。2012/02/07




