内容説明
かつてマスコミや革新政党から「影の部隊」あるいは「影の軍隊」と呼ばれ、警戒された組織があった。自衛隊にあって情報収集と分析を専門に行う「調査隊」と情報教育を行う「調査学校」だ。戦後、米国陸軍情報部(CIC)にかかわり、「調査隊」の生みの親の一人である著者の、知られざる戦後情報戦の内実が今ここに明かされる。
目次
第1章 敗戦からの決意
第2章 国会議事堂の情報員
第3章 GHQの国会工作
第4章 調査隊の誕生
第5章 調査学校長・藤原岩市との軋轢
第6章 金大中事件
第7章 ソウル・オリンピックとKGB
第8章 朴泰俊を守れ
第9章 情報秘録
著者等紹介
松本重夫[マツモトシゲオ]
1920年、韓国生まれ。陸軍大学校卒。終戦後、新聞記者を務める一方で、CIC(米国陸軍情報部)の情報機関員として活動。自衛隊設立に向け警察予備隊が設立されると51年に入隊し、CICから学んだ理論をもとに「調査隊」「調査学校」創設・発展に尽力。64年退職。退職後も軍事情報紙を発行するかたわらCIA、KGB、中国情報機関、KCIAなどとのパイプを生かし、諜報活動に従事。野戦砲兵学校会代表幹事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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がんぞ
3
プライヴァシーの存在によって個人が成り立つように、国家には諜報戦略が不可欠、これをカウンター/インテリジェンス=CICと呼ぶ。戦後、旧軍人が排斥される中、産経新聞記者として占領軍が支配していたが表向きはそうではない国会議事堂内にはいり自慢話のようだが危ない場面もあったらしい。読む限り徳田球一は人柄が良く国際共産主義の干渉が無ければ野党第一党にはなれただろう。1994年、金大中大統領当選の立役者朴泰俊パクテウォンが訪日中に拘束される「第二の金大中事件」が起こりそうになった南朝鮮の金泳三大統領時代における野蛮2014/06/11
のらねこ
0
自衛隊で情報活動をしていた方の回顧録。終戦後の米軍との交渉から国会の様子、戦時中に活躍した人物のその後など。日本流の情報収集について語られた貴重な本です。 2008/12/09
冴人
0
読み始めたら一気だった。2009/07/07