オルタード・カーボン

オルタード・カーボン

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  • サイズ B6判/ページ数 2冊/高さ 20cm
  • 商品コード 9784757211292
  • NDC分類 933
  • Cコード C0097

内容説明

二十七世紀。人間の心はデジタル化され、小さなメモリー・スタックに記録されて頭部のつけねに埋め込まれている。肉体が衰え死を迎えるとスタックが残る。それを維持し外側の肉体を買う金がある人間は、永遠の生命を得られるのだ。一方、バックアップを取っていないメモリー・スタックを破壊された人間はR・D(リアル・デス=真の死)を迎える。犯罪者は精神のみを収容庫の拘禁され、財力がなければ肉体は売られる。おれ、タケシ・コヴァッチは、特命外交部隊「エンヴォイ・コーズ」に所属していた。高度な訓練を受け、神経システムを強化された完璧な兵士の集団だ。おれはエンヴォイを除隊したあと、犯罪に加担して百七十年の保管刑を宣告され、ハーランズ・ワールドの収容庫に入れられていたはずだった。だが刑期なかばにして、おれは見知らぬ男の姿で目覚めた。おれの心は惑星間の電送によってここに送られ、この男の体にダウンロードされていたのだ。おれをここに呼んだのは、ローレンス・バンクロフトという何百年も生き続けている大富豪だ。バンクロフトは数日前、頭部を焼かれて死んでいるところを発見された。肉体のクローンとメモリー・スタックのコピーを所有していたのでまもなく生き返ったが、死ぬ前の二日間の記憶がなかった。いつも四十八時間に一度スタックのコピーを更新しているが、更新する直前に頭部を焼かれたので記憶が残らなかったのだ。状況証拠から警察は自殺と断定したが、バンクロフトは自分が自殺するはずがないと信じていた。四十八時間の空白を埋めたがっているバンクロフトは、おれの元上官にすすめられ、調査を依頼してきた。応じれば十万国連ドルの謝礼金と新しい肉体が手に入り、ハーランズ・ワールドへ帰還して恩赦を受けることができるという。おれは六週間の期限つきで調査することになった。フィリップ・K・ディック賞受賞。

著者等紹介

モーガン,リチャード[モーガン,リチャード][Morgan,Richard]
1965年ロンドン生まれ。イーストアングリア(イングランド東部地方)で育つ。ケンブリッジ大学卒業後、英語講師としてイスタンブール、マドリード、ロンドン、グラスゴーなど各地を転々とする。処女作である「オルタード・カーボン」は2002年にイギリスで出版され、フィリップ・K・ディック賞受賞

田口俊樹[タグチトシキ]
1950年奈良市生まれ。早稲田大学文学部英文科卒。出版社勤務、児童劇団スタッフ、都立高校教員を経て「ミステリマガジン」から翻訳家デビュー
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たみ

15
心をチップに保管して肉体を着替えることが可能になった27世紀、依頼人から「自分を殺した奴を見つけてほしい」と条件付きで頼まれた主人公:タケシの物語。内側の心と外の肉体が微妙にズレていたり(肉体の元の持ち主の特性を引きずったりする)、親しい人の肉体に別人が入っているなんてことがあったりもするわけで、読んでいてもどかしいというか、やきもきする世界でした。映画化も予定されているそうですが演じる俳優さんは大変そうです、マトリックスの人だったら映像とかすごくなりそう…わくわく。フィリップ・K・ディック賞受賞作品。2016/07/22

Ai

3
人間の精神をデジタル化して身体に「積み」、 身体はぶっ壊れたら、人の身体に乗っかるか、 クローンを作るか。 攻殻機動隊をさらに、飛ばした物語でした。 人間が死ににくく、不老不死がリアルになるという。 マイケル・マーシャル・スミスの『スペアーズ』を読んだときと同じくらい興奮しました。 どんなに科学技術が発達しても、 違う女の身体で夫と寝たら、夫が不倫した気がした、とか 中身は別人なのに、恋人の身体が目の前にあったら愛してしまう 、とか 精神はデジタル化してももろいもんです。 つーか、 何よりも2010/11/18

ゴコ

3
「オール・オア・ナッシングだ。おまえかおれか決めとかなきゃ。」 人格をデジタル化しメモリースタックに記録し、死んでもスタックは残り、金を払うことで復活できる設定の物語。 自分が死んでしまった時の保険にスタックを他所に保管し、記憶の更新を行っているということであるが、新しくできた自分は自分なのだろうか、自分が今、思考しているこの魂?はそちらに宿るのか。 というように物語より設定について色々考えていた。 ↑のセリフが自分のコピーと話す内容なのだが残酷でスッキリとして良かった。2012/02/19

すけきよ

3
未来の設定がみっしり書き込まれていて、設定好きにはたまらない。主人公、コヴァッチがカッコイイ。決して善人ではないけれど、信念と真実のためには決して負けることなく、敵に立ち向かっていく。昔ながらのタフな探偵キャラなんだけど、その身につけているものは体も含めてすべてハイテク。この体を自由に取り替えることができるのがポイントで、ロマンスや別れが、再び同じ姿で出会うこともないため、今までのハードボイルドにはありえない情感がある。2005/05/06

オキ

2
1年近くかけて、ようやく読み切りました 夫の古本。 SFは読んだことがないので、大変苦労しました 世界観がつかめない。 名前が覚えられない。 でもなんとか読み終えて充足感たっぷりです。 難しかったですが、面白かったです。 2019/08/11

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