内容説明
ディックは1974年2月から不思議な体験を重ね、これらを解釈しようとする企てに邁進し、日々展開する持論を日誌のように書きとめて、後にこの記録を釈義と呼ぶにいたった。(中略)八年以上にわたって不断に継続された考察は、八千ページ、二百万語におよぶ。本書はこの膨大な釈義の枢要を示す初の精選集にあたる。
目次
1 個人的経験の直接証言
2 思弁による解釈
3 執筆のテクニックと真実の創造的探究
4 自作の解釈
5 執筆中の作品のプロット概略と探究
6 政治および生態環境への関心
7 自己分析二篇
8 結びの寓話三篇
著者等紹介
大瀧啓裕[オオタキケイスケ]
1952年、大阪市に生まれる。著書に「魔法の本箱」(青土社)、「エヴァンゲリオンの夢」(東京創元社)、訳書にコリン・ウィルスン「迷宮の神」「ラスプーチン」「SFと神秘主義」(サンリオSF文庫)、フィリップ・K・ディック「ヴァリス」「聖なる侵入」「虚空の眼」「ティモシー・アーチャーの転生」(創元SF文庫)など
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感想・レビュー
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スターライト
7
70年代にディック自身が経験した神秘的体験を「理論化」するべく記した膨大なメモ(「釈義」)をテーマごとに配列した書。様々な思想をディックが血肉化していく過程と、それを著作に反映した様子が克明に描かれている。幼くしてなくなった双子の妹や、自らの不遇な家庭生活もだいぶ影を落としているようだ。ディック作品の背景にあるものを知りたい人には、おすすめ。2013/08/16
Yoshiko Matsuzaka
0
ずーっと積読だったけどこの前読了。 これ読んでからヴァリス、ユービック読むと内容がよく解る。 これ読んでからYOUTUBEにあるディックのドキュメンタリー(英語だから完全にはわかんないけど)見ると更に面白い。
igi_tur
0
ヴァリスについての記述で頭がぐるぐるした記憶が。
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