内容説明
“老いる”建築と都市を“保つこと”はなぜ困難なのか?技術の視点からモダニズムの急所をつく。
目次
第1章 希望の建設・地獄の営繕
第2章 ライフデザイン学入門
第3章 量を担った技術を考える
第4章 日本のモダニズム
第5章 瓶と缶からのアナロジー
第6章 オプティミズムとデカダンス
第7章 美と壮麗
第8章 現実としての現代建築
第9章 保全性の現在
第10章 虚構の建設・希望の営繕
著者等紹介
内田祥士[ウチダヨシオ]
建築家、東洋大学ライフデザイン学部教授、博士(工学)。1955年東京生まれ。1978年早稲田大学理工学部建築学科卒業。1983年増沢建築設計事務所退所。1989年東京大学大学院博士課程退学、習作舎設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
お抹茶
0
バブル期とは,現代建築は耐久消費財だという考え方が最も強かった時代であったと同時に,新耐震を糧に高耐久で本格的な建築が建てられるという希望が持てた時代。新しい建築に対する非現実的なまでに高い期待と営繕の現実との落差ゆえの地獄。2022/01/20
EST
0
★★★★☆ 営繕とは、建築物の「営造」と「修繕」をまとめて指す語。具体的には、建築物の新築工事、増改築工事、修繕工事および模様替えなどを意味します。営繕という語は古くは中国の春秋戦国時代、日本においても大宝律令に書かれているかなり歴史のある用語です。 戦後、日本の建設ラッシュの中で、いかにして建設が希望に満ち溢れ、一方で建設から切り離された営繕がその影に隠れるように貶められてしまったかを様々な視点から論じている本です。 営繕という仕事の在り方について改めて考えさせられる一冊でした。 2022/11/17