内容説明
人類史上未曽有の世界大戦はなぜ、どのようにして起こったのか?君主、国家エリート、資本家、中産階級キャリアリスト、労働者、農民など、多様な「国民」アクターの“力”の絡みあいを徹底分析。
目次
第11章 近代国家の勃興1・量的データに見るその複雑な発展のプロセス―あるいは、一九世紀に起こった国家機能の大転換
第12章 近代国家の勃興2・軍事的な“力”の自律性が増した―あるいは、軍事優先主義の砦としての軍人カースト
第13章 近代国家の勃興3・官僚制化の大幅な進展が見られた―あるいは、私的な公職保有から公的な行政管理への道程
第14章 近代国家の勃興4・民政的諸機能が急速に成長した―あるいは、インフラ整備・経済介入・福祉活動の拡大
第15章 イギリス労働者階級の決起と闘争・一八一五‐一八八〇年―あるいは、「チャーティスト運動」の敗北とその前後
第16章 小ブルジョアジー・キャリアリスト・専門職従事者が活躍した―あるいは、われらが国民国家の担い手としての中産階級
第17章 第二次産業革命期の階級闘争1・イギリス労働運動の成り行き―あるいは、国民国家との絡みあいから生まれ出たあいまい性
第18章 第二次産業革命期の階級闘争2・主要国の労働運動―あるいは、政治的な“力”の結晶化が生んだ国ごとの多様性
第19章 第二次産業革命期の階級闘争3・農民はどう闘ったか―あるいは、小農民階級のアイデンティティーと利害の両義性
第20章 「長い一九世紀」をめぐる理論的結論―あるいは、階級・国家・国民と、社会的な“力”の四つの源泉
第21章 歴史経験の頂点で塹壕から飛び出す―あるいは、地政学と階級闘争と第一次世界大戦
著者等紹介
マン,マイケル[マン,マイケル][Mann,Michael]
1942年英国マンチェスタ生まれ。オクスフォード大学で博士号を取得。エセックス大学上級講師、ロンドン大学政治経済学部(LSE)講師を経て、1987年よりカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)社会学部教授を務める。専攻は歴史社会学。主な著書として、The Sources of Social Power,Vol.1:A History of Power from the Beginning to A.D.1760,1986(1988年度アメリカ社会学会最優秀学術出版賞を受賞、邦訳『社会的な“力”の世界歴史1―先史からヨーロッパ文明の形成へ』NTT出版、2002年)などがある
森本醇[モリモトジュン]
1937年北九州市生まれ。東京大学文学部イギリス文学科卒業。出版社に勤務の後、フリーの編集者・翻訳者
君塚直隆[キミズカナオタカ]
1967年東京生まれ。上智大学大学院史学専攻博士後期課程修了。神奈川県立外語短期大学助教授。博士(史学)。近現代イギリス政治外交史を専攻
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