良心の領界

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 293p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784757140691
  • NDC分類 934
  • Cコード C0098

内容説明

スーザン・ソンタグを囲むシンポジウム「この時代に想う―共感と相克」(パネリスト=浅田彰、磯崎新、姜尚中、木幡和枝、田中康夫)ほか、最新のテクスト、インタヴュー、講演の記録。

目次

シンポジウム「この時代に想う―共感と相克」(二〇〇二年四月二十八日)(パネリスト スーザン・ソンタグ;浅田彰;磯崎新;姜尚中;木幡和枝;田中康夫)
現実の戦闘と空疎な隠喩(『ニューヨーク・タイムズ』二〇〇二年九月十日)
『デア・シュピーゲル』インタヴュー(二〇〇三年三月一日)
勇気と抵抗について(オスカール・ロメロ賞授与式基調講演、二〇〇三年三月三十日)
インドさながらの世界―文学の翻訳について(聖ヒエロニムス記念講演、二〇〇二年九月二十三日)
文学は自由そのものである(平和賞「ドイツ書籍出版販売協会賞」受賞記念講演、二〇〇三年十月十二日)
美についての議論(『Daedalus』二〇〇二年秋号)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

メタボン

18
☆☆☆★ 序文は高橋源一郎の紹介で心に残っていた。難解な部分も多く、最後の「美についての議論」は歯が立たなかった。以下良かった箇所。安寧は人を孤立させる、世界は私でないものごとで溢れていることを忘れないように旅をする。文学はいかなる場所へも連れてってくれる乗り物。旧か新かは両方選ばねばならぬ、新旧の折り合いをつける連続がなければ人生は一体何だ、この一筋縄ではいかない相克から脱却すべく自問し続けなければならぬ。文学は自由そのもの、読書や内向的な生活の価値が脅かされる時代には文学はまさに自由にほかならない。2015/02/05

tom

15
序文を読みたくて借りてきた本。「本をたくさん読んでください。本には何か大きなもの、歓喜を呼び起こすもの、あるいは自分を深めてくれるものが詰まっています。その期待を持続すること、あるいは自分を深めてくれるものが詰まっています。その期待を持続すること。二度読む価値のない本は、読む価値はありません。」「言語のスラムに沈み込まないよう気を付けること。言葉が指し示す具体的な、生きられた現実を想像するよう努力してください。」・・・・・。彼女が述べるような気持ちで本を漁っているつもりはないけれど、彼女の言葉には共感。2015/03/20

Bartleby

13
登録600冊目にこの本を。序文の「若い読者へのアドバイス」がとても素晴らしかったです。アドバイスに書かれていることを著者が自身のスタイルとして生きてきたことが、収められているディスカッションやエッセイからも強く感じました。自分への励ましとして、あるいは戒めとして、このアドバイスの言葉を時折思い返すようにしたいと、思いました。2012/12/27

koz

11
序文に心打たれる。「人の生き方はその人の心の傾注(Attention)がいかに形成され、また歪められてきたかの軌跡です。」そうだ、あのときまさに心を支配していた想い無くして私たりえないのだと。話すときの彼女の、理想と現実を絶えず行き来しながら、個別の事情を汲み取る慎重な態度が印象に残った。自分自身やことばに対しても常に懐疑的な目を向け、軍事介入を人道的介入などと言い換えるイデオロギー的な誤魔化しには厳しく抗議する。翻訳文学に対するAttention(自分達と異なる人々がいる事をうけいれる)に、はっとした2013/03/21

ケン五

11
良心の領界というタイトルが心に響く。「傾注すること」、「国家の虚飾と自己愛を嫌悪すること」、これは簡単ではない。「言語のスラム街に沈み込まないよう気をつけること」、知らず知らずのうちに呑み込まれているかも。自分は孤立の中に超然として生きていけるのだろうか。ソンタグさんの生き方は見事。この本は自分が迷わないための羅針盤として大事にしなければと思う。2010/06/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/455647
  • ご注意事項