この時代に想うテロへの眼差し

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  • サイズ B6判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784757140349
  • NDC分類 316.4
  • Cコード C0095

出版社内容情報

2001年9月11日の前と後。矛盾、悲劇、そして希望。同時多発テロ以降に書かれた3つのテクストに、大江健三郎氏との往復書簡。「戦争と写真」をめぐる考察などを加えた日本独自編纂。

内容説明

2001年9月11日の「前」と「後」。矛盾、悲劇、そして希望。同時多発テロ以降に書かれた3つのテクストに、大江健三郎氏との往復書簡、「戦争と写真」をめぐる考察などを加えた日本独自編纂。

目次

1 Afer September11(二日後・於ベルリン;一週間後・於パリ;数週間後・於ニューヨーク)
2 Before September11(サラエヴォでゴドーを待ちながら;未来に向けて―往復書簡;戦争と写真―アムネスティ講演;エルサレム賞スピーチ)

著者等紹介

ソンタグ,スーザン[ソンタグ,スーザン][Sontag,Susan]
1933年生まれ。批評家・作家。米国で最も精力的な知的営為を続ける批評家のひとり。99年に発表した小説『In America』は、2000年のNational Book Awardを受賞した

木幡和枝[コバタカズエ]
上智大学卒。アート・プロデューサー。東京芸術大学先端芸術表現科教授、P.S.1現代美術センター(ニューヨーク)客員キュレター・東京代表
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nobi

54
9.11直後ソンタグは「空疎で間違いだらけの扇動的言辞への辛辣な批判」を米独伊の新聞で展開している。一方でテロリズムは「無実の人々に対する殺害」また「まっとうな訴えという隠れ蓑をまとっている」と弾劾する。身の危険に及びうる意見表明であると恐らく覚悟して。一貫して強調するのは“現場のリアルに接すること““常套的な言辞や単純化と闘うこと”の大切さ。9.11後はすぐにNY へ。セルビア砲撃下のサラエヴォに滞在し、疲労し切った俳優達に稽古をつけ「ゴドーを待ちながら」の蝋燭灯火下での上演にこぎつける。何て頼もしい。2024/03/21

きゅー

15
911の2日後、1週間後、数週間後に書かれた記事は、いま読んでも違和感を感じないほど冷静だ。彼女自身が事件の起きた時にヨーロッパにいたということも関係しているだろうが、感情的にテロリズムを弾劾したりしないどころか、テロ首謀者たちのある種の勇敢さにまで言及する知的視力の強さには恐れ入る。そして、この一冊の白眉は「サラエヴォでゴドーを待ちながら」だ。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争において、包囲されたサラエヴォにソンタグは長期滞在し劇を上演する。その時の体験談、メディアの功罪についてのエッセイは一読に値する。2016/07/21

FreakyRider

5
大江健三郎との往復書簡。日本がファシズム化し、右傾化していく、という意見に対しての反論。戦争に反対することが良いことだ、とはならない。その例としてカンボジアのポルポト、ユーゴスラビアのミシェロビッチに対する攻撃が挙げられている。そして、ファシズムはエイズと同じように今や隠喩、そう、「隠喩としてのファシズム」となっていると。日本の左翼思想の限界を見た気がする。結局、戦争が嫌いだから戦争のことは知りたくない、となっている気がする。そこを超えないと、保守政権は抑えられないだろうな。2016/01/13

takao

3
ふむ2025/01/26

mascuma

2
〈サラエヴォの人々でさえ、ときどき戦争が非現実的に感じられると言う。彼らは、和らぐことのない衝撃状態に身を置いており、それが言葉でも、不信感をともなって表れてくる(「何でこんなことが起こるの?まだ本当のこととは信じられない」)。セルビア勢の暴虐と、みずからが余儀なくされている生活の不毛さと、不慣れな思いに、彼ら自身ただただ驚愕している。「私たちは中世に生きている」と誰かが言った。「サイエンス・フィクションよ」と言う人もいた。〉2022/12/24

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