内容説明
スウェーデンの経済学者グンナー・ミュルダールの多様な研究を、累積的因果関係論の視点から再配置し、彼の福祉国家論や低開発経済論を再評価する。経済学の知られざる巨人ミュルダールが残したものは何であったのか、その中心的なメッセージとは。
目次
ミュルダール経済学の全体像
第1部 伝記(グンナー・ミュルダール―人と業績)
第2部 ミュルダール経済学の方法と理論(「価値前提の明示」の方法論;累積的因果関係の理論;累積的因果関係論の諸潮流とミュルダール)
第3部 福祉国家から福祉世界へ(一九三〇年代スウェーデンの人口問題;人口論におけるケインズとミュルダール―イギリスとスウェーデンの「福祉国家の合意」;福祉国家の形成;低開発経済の動態;福祉世界の構築)
ミュルダールから現代へ
著者等紹介
藤田菜々子[フジタナナコ]
1977年三重県桑名市に生まれる。1999年名古屋大学経済学部卒業。2005年名古屋大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。博士(経済学)。現在、名古屋市立大学大学院経済学研究科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
3
13-90 赤21 ‘74ハイエクとともに「ノーベル経済学賞」を分け合う。楽観と悲観が交錯。スウェーデン・・・行きつ戻りつ・・・ 「価値前提の明示」の方法論… ☆累積的因果関係論としての『アメリカのジレンマ』における「累積の原理」の解析。・・・福祉国家論と低開発経済論の視角。ミュルダールがカルドアに批判的検討のポジション…再評価するとともに現代から将来への累積的因果関係論研究に至る…悲観論としてのミュルダールとは? 2010/05/18
脳疣沼
1
読みやすいけど、ちょっと退屈。2016/05/26
こずえ
0
福祉国家についての大家、ミュルダールの考えをわかりやすくまとめていておすすめ
m yuki
0
スウェーデンの経済学者、グンナーミュルダールの多様な研究を累積的因果関係論の観点から再配置し、彼の福祉国家論や低開発経済論を再評価した一冊。(帯より) その経済理論だけではなく、彼の生涯にも迫った点においてミュルダールを理解するベース•キャンプとなる一冊。彼の多様な研究とその生涯を通し、肌でミュルダールという人間の思想を感じることが出来る名著。2011/12/24
たむよ
0
権丈はミュルダールとガルブレイスと藤澤益夫で出来ている。2010/06/02