感想・レビュー
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印度 洋一郎
3
昭和前期から中期にかけての喜劇王榎本健一による、女性に関するエッセイ集「泣き笑い人生」と自伝「喜劇こそ我が命」の二本立て。「泣き笑い人生」では、戦前の外国人タレントであるバートン・クレーンとの酒を通じた交流や歌舞伎の馬役の役者の話などが面白い。「喜劇こそ我が命」は小林信彦の「日本の喜劇人」でも引用されている正統派の自伝。戦前は浅草オペラから東宝の映画に至る栄光の日々だった。しかし、戦後は一転して愛息の死や壊疽による右足切断と不幸が続く。「森繁君」とか「三木のり平君」等、私にとってのベテランも若手だったのだ2018/04/18