内容説明
神も人も恋し合い、酔い痴れて、宮廷に、閨房に、哄笑が谺する。バフチン・ラブレー論の絵画版、新世紀の美術史。
目次
1 笑え、ルネサンス
2 愉!笑う一五世紀
3 哄!笑うミケランジェロ
4 歓!笑うラファエッロと仲間たち
5 奇!笑うマニエリスム
6 噪!コジモ・デ・メディチの笑う宮廷
7 艶!ヴェネツィアの笑う閨房
8 歪!北イタリアも笑う
8 愛、哄笑、そして歓楽
解題 剽軽の王国
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あかふく
6
イタリア・ルネサンス絵画を文学作品のユーモラスな伝統に近づける試み。イタリア・ルネサンス絵画はパノフスキーやゴンブリッチがやはり本書でも槍玉にあげられるところが多いが、ネオ・プラトニズム的な解釈をされることが多かった。しかし、著者はもっとあからさまにあるエロティックな、ユーモラスな、ウィッティな表現こそが注目されるべきなのだと言う。その「面白-真面目」さが強調されることにより単なる真面目ではない絵画の娯しみの側面も考察の対象になり得ることが示される。娯しみだといって無意味なのではない。リクリエーション2013/12/28