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出版社内容情報
英国の美術史家ロイ・ストロングは、本書の初版を上木した七〇年代末葉当時、西欧の庭園史研究はまだ緒についたばかりであり、確たる方法論とてあるわけでもなかった状況の中を手探りで進み、膨大な資料を博捜渉猟のうえ、絶対王政の「理念」という導きの糸を手がかりに、イングランドへのルネサンス式整形庭園の導入とその展開という錯雑極まる主題を、一貫したパースペクティヴのもと見事に織り紡いでみせた。こうして本書が一五〇葉にもなんなんとする図版とともに提示した丹精な歴史的見取り図は、その時代・様式区分のたしかな鑑識眼、分析対象とする作品・人物選択の剴切さ、さらにはその明快なストーリー展開によって、いまだにこれを完全に凌駕するものは提出されていない。現在でもイングランドを中心にした西欧のルネサンス庭園史研究は、基本的にはストロングが描いたパースペクティヴに沿っておこなわれているといってもよい。西欧庭園史の原典と言える名著!
一九九八年版への序
序
第1章 ルネサンス庭園
第2章 紋章学庭園――ハンプトン・コート、ホワイトホール、ノンサッチ
第3章 エンブレム庭園――ケニルワース、ティブルズ、ウォラトン、ウィンブルドン、ノンサッチ
第4章 マニエリスム庭園――サロモン・ド・コー
第5章 マニエリスム庭園――フランシス・ベーコンとその周辺
第6章 折衷式庭園――イサク・ド・コー
第7章 折衷式庭園――イニゴ・ジョーンズ、サー・ジョン・ダンヴァーズ、アンドレ・モレ
第8章 結 論――ルネサンスからバロックへ、そして魔術から科学へ
原 註
図版一覧
観念を盛る幾何の器――初期近代インテレクチュアル・ヒストリーとしてのルネサンス庭園史研究 桑木野幸司
花道を飾るデザイナー――庭園はルネサンスの爛熟を記号化する 圓月勝博
人名/庭園名索引
人工洞窟に展開する古代の神話世界、仕掛け噴水や楽を奏でる水力オルガン、機械仕掛けの自動人形、古代彫像の野外ミュージアム、植物/博物の百科全書的な展覧、哲学的瞑想に耽るメランコリーの境地、演劇的で官能的な饗宴という祝祭の場、これら美と快楽と科学が一体となる夢幻の郷、すなわち万象の生起する庭園という幾何の器に盛られた、エンブレム論、記憶術、古代機械論、蒐集文化論、祝祭論、神話学、博物学、美術史などの複合的な観念体系を明らかにする。
内容説明
膨大な資料を博捜渉猟し、絶対王制の「理念」という導きの糸を手がかりに、イタリアに発し、フランスを経由する、イングランドへのルネサンス式整形庭園の導入とその展開という錯雑きわまる主題を、一貫したパースペクティヴのもとに見事に織り紡いでみせる、西欧庭園史の原典。
目次
ルネサンス庭園
紋章学庭園―ハンプトン・コート、ホワイトホール、ノンサッチ
エンブレム庭園―ケニルワース、ティブルズ、ウォラトン、ウィンブルドン、ノンサッチ
マニエリスム庭園(サロモン・ド・コー;フランシス・ベーコンとその周辺)
折衷式庭園(イサク・ド・コー;イニゴ・ジョーンズ、サー・ジョン・ダンヴァーズ、アンドレ・モレ)
結論―ルネサンスからバロックへ、そして魔術から科学へ
著者等紹介
円月勝博[エンゲツカツヒロ]
同志社大学文学部英文学科教授
桑木野幸司[クワキノコウジ]
東京大学大学院工学系研究科建築学専攻博士課程
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。