感想・レビュー
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めっちー
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明治時代から戦後まで小説や編集の分野で生きた女性で、この巻に収録してるのは明治後期から大正初期という脂の乗った時期に発表した11編の小説で、私小説の色彩がある。女性の自立や文学・演劇との相剋、上手く行かぬ男女関係などが書かれていて、百合っぽい作品もある。「露分衣」は樋口一葉の影響が見られるが、この本の半分近くを占める「あきらめ」になると、彼女の個性が見えてくる。封建的な時代の中で苦闘しながら、生き抜く彼女たちが書かれている。旧字旧仮名遣いの上、ルビを振ってない漢字も多いので、悪戦苦闘(特に「露分衣」)する2021/12/16