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出版社内容情報
「人はまだ どこかで起きている」静かな夜を旅するような、青が沁みるSFファンタジーコミック
ある宇宙、人は「トビアスの木」の毒によって「覚めない眠り」につきはじめていた。そして、ほとんどの住民が眠ってしまった星は「まどろみの星」と呼ばれた。これは、「まどろみの星」を訪ね、残された文化を記録・保存する、プラネタリウム・ゴースト・トラベル社(通称PGT社) 星旅人・登録ナンバー303の物語。訪れた星々でPGT社で、303が交流する人やモノ、出会いと別れ、そして「トビアスの木」と自身の謎……。
単行本化にあたり「episode.04 まどろみホテル」は、WEB連載時から大幅に加筆修正を行いボリュームアップしました。
パイ コミックスWEB連載初の単行本にして、好評既刊本『坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル』のシリーズ作品となるコミック『星旅少年』 第1巻にご期待ください!
『星旅少年』 第2巻は2022年9月発売予定です。
episode.01 星を旅する
episode.02 シガリス
episode.03 夜天図書館
episode.04 まどろみホテル
episode.05 アビス城跡
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
150
この世界にも後悔や寂しさが漂い、すべて記憶として刻まれていくのか。シガーから放たれたミルクの光が空に昇っていくのを見つめている。言葉では伝えられないやさしさがある。水面の星が綺麗だからその向こうはどうなっているのだろう。溶けて消えてしまいそうなきらめく言葉が各々の過去に眠りつく。ずっとここにいる。そう思える場所を誰もが探している。生きた証をせめて刻みたいと根を張っているのたろうか。宇宙、星屑、まどろみ。そこに確かにあったものを記憶するのがぼくの仕事。303に導かれて、星への旅は続く。見えないものを探して。2025/01/16
シナモン
127
とても良かったです。以前テレビで紹介されてて気になって読んでみました。ほとんどの住民が眠ってしまった「まどろみの星」を巡りながら、そこに確かに存在した文化を記憶していく少年の物語。広大な宇宙、静かで穏やか、少し寂しい不思議な世界。一日の終わりにゆるく冷房のかかった寝室でパラパラとページを捲る…ほわ〜っとたまらない読書タイムを過ごせました。涼やかな青が印象的な一冊でした。2022/08/01
ねこ
95
穏やかで無鉄砲な主人公の名前は303。仕事は文化保存局特別派遣員の“星旅人“。外見は少年だが随分な年齢のようだ。未来の地球ではないどこかが舞台。この世界では多くいた人がどんどん眠り「トビアスの木」になってしまう。その木になる赤い宝石のような実は木になる前の生前の記憶を持っているが猛毒である。ところが主人公の303はこれを食べても平気。物語は生きている人と木になって記憶だけになったものとの触れ合い。優しい世界観と近未来アイテムが秀逸。5つのストーリーがありますが、私は夜天図書館が1番好きっ。2025/05/23
コットン
78
ワッピーさんのおすすめ本。表紙と巻頭が鮮やかな青に埋めつくされたカラーなのが印象的。レトロSF設定で文字を書いて振ると砂になるペンなどガジェットも楽しい。主人公がフラフラと寄り道する人だけれど重要な秘密があるようで続きが気になる。長野まゆみの作品が好きなら気に入りそうだと思います。2023/04/12
眠る山猫屋
77
寒い夜更けの空気のように、淡々と語られる物語。主人公・星旅人303の星から星への夜間飛行。人を魅了し、木にしてしまう“トビアスの木”の拡散を調査しているようだが、彼に深刻さは薄い。人間を眠るように樹化してしまうトビアスの木にも、恐ろしさは無く、静かな夜に紛れてしまうような寂寥さを放っている。沢山の秘密を抱えていそうな303の過去よりも、彼が関わっていく人々の思いと行く末に惹かれる。独りの寒い夜空の下で読みたい一冊。2022/11/12
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