出版社内容情報
長崎訓子が描く、奇妙でカワイイ名作文学
イラストレーターの長崎訓子が、古今東西、奇妙奇天烈な名作文学をマンガ化。可愛くて、可笑しくて、恐ろしい、珠玉の短編文学集です。夏目漱石、佐藤春夫、モーパッサン、梅崎春生、海野十三、向田邦子、横光利一など収録。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アマニョッキ
28
これはこれは。また素敵な本に出会ってしまいました。漫画と言ってしまっては申し訳ない(決して漫画を否定しているわけではありません)ほど文学と融合しています。向田邦子の「鮒」とモーパッサンの二作品が好き。夏目漱石の「変な音」も面白くて、現在が読んでみたくなりました。 これ続編出ないかな。長崎さんのライフワークにして欲しい。2017/02/05
ぐっちー
17
分厚い本ではないけれど、たくさん入ってる。この方のシンプルな絵とコマ運びは好き。やっぱ、絵の上手い人は、線が綺麗だな。この中では、『鮒』とモーパッサンが良かった。『墓』の文字通り墓を掘り起こしてるシーン、なんか好き。2015/09/26
マツユキ
14
意外と名作の漫画化作品を読んでいるような気がします。原作を読んでいないもどかしさが、良い刺激になります。作者は有名ですが、知らない作品ばかり。夏目漱石の『変な音』も気になる。作者の名前も知らなかった梅崎春生の『猫の話』が印象敵。向田邦子『鮒』、海野十三『空気男』、モーパッサン『髪』『墓』も読みたい。癖がある上に、バラエティのあるラインナップですが、漫画も対応していて、素敵な作品集でした。2022/04/16
スイ
12
どれも良かったが、梅崎春生の『猫の話』は特に圧巻。 一度書かれたものを他者が描くなら、元の作品をただなぞるだけでは意味がない。 長崎さんにしかできないやり方で、思い切り打ち返したような印象だった。 2021/10/19
ごま
12
うわ、これはものすごく好みだ。ささっとフリーハンドで描かれたように感じるタッチ。人物も背景もおよそ丁寧とは言えない。が、的確なのだ。リアルから最も遠いような絵が、読み始めればスッと映像を見ているかのように滑らかに動き出す。11編の名作文学は恥ずかしながらひとつも読んだことが無い。逆に小説を読むこと、その後またこの本を読むという楽しみが出来た。作家買い決定です。2016/02/14