おこまの大冒険―朧月猫の草紙

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  • サイズ A5判/ページ数 335p/高さ 15X21cm
  • 商品コード 9784756244291
  • NDC分類 913.57
  • Cコード C0071

内容説明

舞台は鎌倉。カツブシ問屋のメス猫おこまちゃんは、ある事件から、恋しいとらさんと駆け落ち。ところが、待っていたのは、山あり谷ありの数奇な運命だった…。物語を彩るのは、お姫様や奥女中、彫物師や漁師、それに、立ちすぎるくらいキャラの立った大勢の猫たち。江戸時代の猫好きコンビがおくる、メス猫おこまの一代記。

著者等紹介

金子信久[カネコノブヒサ]
1962年、東京都生まれ。85年、慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。福島県立博物館学芸員などを経て、府中市美術館学芸員。専門は江戸時代絵画史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

127
これはある意味奇書であると思います。当時の浮世絵画家と人気作家がコラボして作り上げた大衆向けの本なのでしょう。猫が主人公となっていてその冒険談というかまあ人間世界ではありそうなことを猫世界に置き換えたもので原文と絵が左ページ、右側には現代語訳が解説と一緒に掲載されています。2016/07/16

ぶち

79
鰹節問屋"又たび屋粉右衛門"の飼猫"おこま"が、ある事件から、愛しい"とら"と駆け落ちしますが、その後、運命は二転三転。波瀾万丈の猫生涯を送ったおこまの物語です。物語を彩るのは、お姫様や奥女中、個性的な大勢の猫たち。鎌倉名所の江の島、鶴岡八幡宮、長谷寺なども登場し、なかなかに楽しい物語です。原本は、山東京伝と歌川国芳による絵草紙です。この本はその現代語訳と解説ですが、一編から七編すべての原本も収められていますので、物語を現代語で楽しめると共に国芳の絵もたっぷりと堪能できます。2018/12/07

がらくたどん

31
「山亭」絡みで始めたニャン噺探索、一応の区切りは江戸天保年の大人気絵草紙。鰹節問屋の飼い猫、白い美猫のおこまちゃんの波乱万丈の一代記全7編を図版充実・現代語訳・解説付きで。おこまちゃんの「冒険譚」として楽しく読むなら第4編まで。それだけでも、恋猫とらさんと駆け落ちし、まさかの生き別れからのさる姫君に拾われて、まさかの下女に捨てられ・・。4編の最後は再び姫君にお目見えで大円団。ここから先は、多分人気がありすぎて止め時を見失い、更なる波乱と悲劇がおこまを襲う。ああ、おこまの運命は!商業出版の鑑です。お見事。2022/03/26

yumiha

29
誌友さんレビューで心惹かれた本書。波乱万丈のにゃん生だったおこまは、ときに猫ときに人間的に描かれているが、山東京山も歌川国芳も猫を飼っていたそうなので、猫としての仕草に違和感なく、まったりと堪能できた。また現代文に訳した金子信久の江戸時代の小ネタコラムも興味深く、解説を読んで気づいたのだが、『ねこと国芳』の著者だったのねん。京山は歌舞伎『葛の葉子別れ』『妹背山婦女庭訓』『加賀見山旧錦絵』『義経千本桜』をストーリーに、国芳も歌舞伎役者を取り入れて描いているので、「岩ぶち?忠信?」などとニンマリしてしまふ。2018/12/20

kuri8655

25
かわいい猫のお話と思っていたら、刃傷沙汰も沢山あって、文字通り波乱万丈、歌舞伎を見終わったような読後感。猫を飼ったことのない私は「香箱」など猫の習性の数々が新鮮だったし、人間界の様々な職業(彫物師から三味線屋まで)や、様々な立場の女性達が各々ちゃんとキャラクターをもって描かれているのにも唸った。絵が細かい!字がちっちゃい!と一瞬ひるんでしまったが、リズミカルで小気味いい訳とコメントにつられてどんどん読めた。ただの几帳面な現代語訳だったら途中で退屈したかも。このアバウトな訳出センスが素晴らしいのだなと思う。2014/05/27

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