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内容説明
学問的な権威と大学内の地位を背景に、学生や女性職員、女性研究者を襲うキャンパス・セクハラ。応じなければ、大学での未来はない。隠微な形で全国の大学に蔓延するキャンパス・セクハラの実態を初めて白日の下にさらした矢野セクハラ裁判の記録。
目次
第1部 矢野事件の問うたもの(矢野事件の経過;「セクハラは小事か」;矢野氏、裁判を起こす)
第2部 資料編(告発と要望;裁判)
第3部 裁判を終えて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
るうるう
1
驚いた。こんなに明らさまなセクハラ(強姦と脅し、暴行)が繰り返し行われていたことにだ。そのやり口は、裁判で明らかになったものだけを見ても、とても日本を代表する学者の言動とは思えない。おそらく被害者たちもみな、その地位や名声とのギャップに、白昼に鬼を見たかのごとく驚愕しただろう。本書によれば、相次ぐ秘書の辞職がきっかけとなって一連の出来事が日の目を見る。しかし、この男の行為はそれ以前からあったのではないか。時代の変化、女性の意識の変化、さらには男の側の変化もあって被害者が声を上げ始めたのかもしれない。 2015/03/09
kohaku
1
主著者の小野和子が、自分の勤める大学の男性大学教授が行ったセクシャルハラスメントを庇う別の大学教授たちの論考を批判したら、加害者教授から訴えられてしまったという裁判の記録。(もちろん著者側の勝訴)「ハラスメント無効化のために陰謀論を持ち出す」「被害の矮小化をはかる」「関係ない争点を持ち出す」「相手が権力者であることを無視して、告発者の匿名を責める」という二次加害はこういうケースの典型例なんだろう。2014/09/14
dice-kn
0
主著者はセクハラの加害者でも被害者でもないが、ある寄稿がきっかけで訴えられてしまった。他の訴えも合わせて淡々と書かれている印象を受けたが、関わった人たちには並々ならぬ情熱(正義感、何とかしたいという思い)があったと思う。敬意を表します。 資料編の分量が多く、ここは飛ばし読み。2015/04/10