内容説明
英国の作家サミュエル・リチャードソン(1689‐1761)の『パミラ』と並ぶ代表作の書簡体小説Clarissa『クラリッサ』(1747‐48)を作品の歴史的背景や社会的背景を丁寧に説明し、社会や時代との闘いの中でもがく女主人公クラリッサの姿から時代の矛盾を浮かび上がらせる小説『クラリッサ』の魅力を伝える評論。
目次
序章 『クラリッサ』と時代背景、そしてクラリッサ
第1章 リチャードソン略伝
第2章 『クラリッサ』の誕生へ
第3章 『クラリッサ』―物語の構成、梗概
第4章 書簡体小説『クラリッサ』の独自性
第5章 反映される時代―遺産相続、家父長制、女性教育
第6章 感性の時代に生きるクラリッサ
第7章 クラリッサの中でせめぎ合う新旧
第8章 クラリッサの部屋
第9章 クラリッサとラヴレス―愛と性
第10章 聖化されるクラリッサ
第11章 書き直しと創作ネットワーク
第12章 作者の執拗な規制
第13章 解釈の開放へ、『クラリッサ』の現在
著者等紹介
塩谷清人[シオタニキヨト]
1944年三重県生まれ。東京大学大学院修士課程修了。英文学専攻。学習院大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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