内容説明
幼くして引き裂かれた兄妹は、ドロシー15歳、ウィリアム17歳の多感な思春期に再会する。紆余曲折を経て13年後、理想郷「グラスミアの我が家」に暮らし、兄の結婚を機に兄妹の絆はひとまず終局を迎える。兄への熱い想いを綴るドロシーの手紙や日記、妹の影響が見て取れる兄の詩作の数々を緻密に分析し、15年間にわたる二人の愛の成長過程を紐解いていく。
目次
9年ぶりの再会―青春の愛の輝き(1787年夏)
「我が家」の生活を夢見て―『夕べの散策』の背景(1788~90年)
アネット・ヴァロンとの愛―決断と自立への転機(1791~2年)
自立への模索―放浪と激情の日々(1793年)
旅する二羽の白鳥―「我が家」への旅の始まり(1794年)
夢の実現―レースダウンの「我が家」(1795~7年)
「驚異の年」の始まり―レースダウン・ロッジからオールフォックスデン邸へ(1797年後半)
『オールフォックスデン日記』―「驚異の年」絶頂期の貴重な記録(1798年1~4月)
『ティンタン僧院』とその背景―妹への感謝とコールリッジに対する応答(1798年夏)
静かな回想の日々(ゴスラーの冬)―ルーシー・ポエム創造の背景〔ほか〕
著者等紹介
山田豊[ヤマダユタカ]
1931年和歌山県粉河町に生まれる。1955年大阪大学文学部卒業。1958年大阪大学文学研究科修士課程修了。1960年立命館大学文学部専任講師。1965年同大学助教授。1970年龍谷大学文学部助教授。1972年同大学教授。1989年文学博士(龍谷大学)。2000年龍谷大学名誉教授。専攻は英文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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