内容説明
ミスティックとは、幻視的、また秘教的な宗教的現象を超えた、魂の内面における不可視なものとの交感、合一の体験である。アルベール・ベガン、ロマン・ロラン、シモーヌ・ヴェイユらの仕事を手がかりとしてミスティックの働きを視つめ、フランスの詩と思想の地下水脈を辿る。西欧芸術の根源を問う本格的論考。
目次
アルベール・ベガンの「体験」
シモーヌ・ヴェイユにおける論理と非論理
詩とミスティック
「一体性」の詩人マルチネ
イヴ・ボヌフォアの詩をめぐって
ロマン・ロランの二つの友情
他国文化理解の一つの場合
ロマン・ロランにおける「フランス」
愛と死と運命と
「自由」と「神」