内容説明
材料強度学は変形、損傷、破壊の機構を解明し、強度を評価する学問分野であり、機械・構造物の設計、保守および材料開発には必要不可欠である。各種材料の強度を明らかにし、安全に使用するためには、材料の知識、破壊現象を明らかにするための実験法の知識、そして破壊現象と強度を工学的に解明し、整理するための力学の知識が必要である。したがって、大学の学部学生が材料強度学を学習したり、大学院学生が材料強度に関する研究を進めたり、また、企業の若手技術者が材料強度学を実際に応用できるようになるためには、材料力学、弾性力学、塑性力学、破壊力学、各種の材料学、実験力学などを修得する必要がある。しかし、短期間にこれらの学問を修得し、材料強度という観点から相互の関係を筋道立てて理解することは非常に大変なことである。材料強度学を効率的に学習する一つの方法は、材料強度の基盤となっている力学を理解することであろうと考えている。本書は、以上の観点から、材料の強度に関わる力学をまとめたものである。
目次
第1章 序論
第2章 固体力学の基礎
第3章 弾性体および弾塑性体の構成式
第4章 脆性破壊と延性破壊
第5章 線形破壊力学
第6章 弾塑性破壊力学
第7章 破壊力学の応用
第8章 混合モードき裂からの破壊
第9章 複合材料の力学モデル
第10章 分散形複合材料
第11章 連続繊維強化複合材料と積層複合材料
著者等紹介
東郷敬一郎[トウゴウケイイチロウ]
1977年熊本大学工学部機械工学科卒業。1982年東京大学大学院工学系研究科修了、工学博士。1982年名古屋大学工学部鉄鋼工学科助手。1989年静岡大学工学部機械工学科助教授。現在、静岡大学工学部機械工学科教授
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