感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
内島菫
25
昔話から受ける淡白で平板な印象は、数学の世界に似た高度な抽象性からきているという。登場人物やアイテムは現実の社会におけるようなしがらみや常識とは一切関わりなく孤立しており、だから精神的にも奥行きという重さを持たず、まるで数字や図形のようにお互いが様々に結合することができる。昔話は弱められた成人手続き、ファンタジーに移された成人式という見方は面白い。儀式のある種の軽さや形式、手続き的な動き、反復性、線的な抽象性は、昔話の特徴そのものだろう。本来、平面性と立体性との間に上下はなく、昔話の形態も独自の美を持つ。2017/02/02
monotane
1
「歴史資料」としての童話や「精神分析的解釈」がされた童話にはまったく興味が持てなかったからか、すごく面白く感じた。たぶん形態学とかプロップとか小澤俊夫とか。2011/01/20
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