民俗民芸双書<br> 馬娘婚姻譚 - いわゆる「オシラさま」信仰について

民俗民芸双書
馬娘婚姻譚 - いわゆる「オシラさま」信仰について

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  • サイズ B6判/ページ数 220p
  • 商品コード 9784753400058
  • NDC分類 387

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

とまる

1
馬は何故、世界中の神話で女神や娘と共に登場するのか。何故、馬と娘が恋をするこの民話に養蚕が付いて回るのか。 三輪山神人婚(蛇神と娘)のような自然の中にある神と人間の婚姻でもなければ、世界中の異類婚姻譚に織り込まれている「見るなの原則」も無い。 完全に、人の御せる範疇にあったはずの馬という動物と娘が恋をし、死を迎えることで蚕という存在に辿り着くという不思議な民話「馬娘婚姻譚」。 資料を読んで知識を積むほど、仮説は増えるけれどひとつの答えにはまとまらない。だからこそ、知識を積むのをやめられない。2013/05/01

abaoaquagga

0
ばろうこんいんたん、と読む。禁断の恋に落ちた馬と娘が天に昇り、代わりに彼らの面影を持つ虫=蚕が降ってくる。なぜ異種婚と養蚕が結びつくのか、なぜそれを巫女が信仰するに至ったのか、不可思議な点も多く、ゆえに面白い題材だ。本書は主に、著者によるフィールドワークと、場面ごとに分類した複数の伝承本文(オシラ祭文)で構成されている。前者の筆致がなかなか秀逸で、現地の情景が空気感も含めてありありと浮かんでくる。しかし、老婆から涙混じりに託されたオシラ様を、埃もそのままに放置するのはいかがなものかしら。2025/01/10

なみのりピカチュウ

0
1940年代のオシラ様信仰を、今野教授のフィールドワーク体験と学術知識の両面から体験できる稀有な書籍。カジュアルに「柳田先生がこう仰っていた」とか出てくるので伝説を伝聞体で身近に味わえます。読書体験として、まず40年代の東北フィールドワーク(祝祭に出て、巫女の婆様たちの卑猥な踊りを見聞したり、山で野宿したりする)で著者の目を通した戦前日本の姿がとても面白いです。中盤の三春神宮での会話は、ノンフィクションと比べるのは失礼ながら京極堂の解決パートのような興味深さがありました。超面白かったです。2023/09/04

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