内容説明
このコミュニティは、その思想や価値体系を再生産し続けるプロセスにおいて、私が患者のために働くことを喜んでくれているのだろうか。私は誰の言葉で、誰のために仕事をしているのだろうか。私は、この仕事を通して、何を生み出そうとしているのだろうか。
目次
治療者になろうとすること
第1部 治療者の訓練と文化の問題(訓練分析と文化の問題;スーパーヴィジョンと文化の問題;理論と概念の使用の問題―エナクトメントを例に;コミュニティの問題)
第2部 専門家への問いかけ(治療者は患者を治せるのか;治療者に患者の心がわかるのか;インフォームド・コンセントは達成可能か;治療者はどのように精神分析的心理療法をデザインできるのか)
第3部 世界と時代、足元の臨床(双子体験と分身体験、そして当事者性;ナルシシズムについて;偶然性/必然性と驚き、トラウマ;この時代に生きること―治療者の脆弱性)
足元の臨床と世界で語ること―講演記録
著者等紹介
富樫公一[トガシコウイチ]
NY州精神分析家ライセンス、臨床心理士、NAAP認定精神分析家、博士(文学)。2001‐2006年NPAP精神分析研究所、TRISP自己心理学研究所(NY)留学。2006‐2012年広島国際大学大学院准教授(2007年まで助教授)。専攻:精神分析・臨床心理学。現職:甲南大学文学部教授、TRISP自己心理学研究所ファカルティ・訓練分析家・スーパーヴァイザー、栄橋心理相談室精神分析家。2020年NAAP精神分析学会グラディーヴァ賞(最優秀書籍)、2022年日本精神分析学会学会出版賞(小此木賞)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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