内容説明
検査の施行から解釈まで、クライエントを生き生きと理解するための一貫した方法を「馬場法」として集大成し、その秘密を明らかにする!
目次
第1部 理論編(力動的解釈の歴史;施行法・記号化について―片口法とその修正点;各記号の解釈仮説;解釈法1―解釈過程の力動的理解と量的分析;解釈法2―継起分析;テストバッテリーと退行現象;パーソナリティの病理とそのロールシャッハ法への現れ―自我の機能と機制を中心に;他の検査との統合―SCTの場合;所見の書き方)
第2部 事例編(神経症水準の現れ1―ヒステリー性格;神経症水準の現れ2―強迫性格;BPO水準の現れ1―結合型;BPO水準の現れ2―併存型;精神病水準の現れ1―反応継起がある程度理解できる事例;精神病水準の現れ2―サインの顕著な統合失調症の例)
著者等紹介
馬場禮子[ババレイコ]
1934年東京に生まれる。1958年慶応義塾大学社会学研究科心理学専攻・修士課程修了。同年慶応義塾大学医学部精神神経科勤務。同時に、三恵病院などにて精神科臨床に従事。1984年常磐大学人間科学部教授。1991年東京都立大学人文学部教授。1997年放送大学教育学部教授。2005年山梨英和大学大学院(臨床心理学専攻)教授。中野臨床心理研究室(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ひろか
6
馬場法の解説書である。ロテを基本から発展までしっかり学べるし、力動的理解がわかる難書。良い本です2018/01/28
なっしー
0
読み終えるのにだいぶ時間がかかってしまった。刊行されてすぐに購入したが、なかなか読めずにいた。この度、しっかりと読むことができ、良本だと思った。どの方法を使うにせよ、継起分析は必要だと思う。その読み取りや理解、そして、ロテだけでなく、SCTとのバッテリーにおける解釈まで学ぶことができ勉強になった。事例を通しての理解もできる。繰り返し読みたいところ。2020/09/20
toriaez
0
「自我の弾力性を見るテスト」であるから、解釈者にも弾力が求められる。数値だけでは見えない部分に迫るために自分の内面も使う。しかし独善的な解釈にはしないために、しっかりとスコアを確認して足場にしていく。得られたデータという現実と、それによって動かされた内的なもの。これらを統合し被験者を理解するためには、解釈者の自我がフル稼働しなくてはならない。あらゆる情報がまとまっていき一つの人物像になっていく事例編は見事で読み応えがあるが、そのレベルに至るには相当な場数が必要なのだろうと思う。2019/08/31