目次
序章 なぜ消極的精神療法なのか
第1章 消極的精神療法とは(食行動ややせ願望を積極的に扱わない;体重の目標を設定しない;積極的な栄養補給は行わない;自傷行為や自殺企図を積極的に取り上げない;入院治療はなるべく最小限に留める;深層心理への介入を行わない;治療者は、治療全般に対して受動的な姿勢で臨む)
第2章 消極的精神療法の実際(初診時;治療初期;治療中期;治療後期)
第3章 症例呈示と消極的精神療法の適応(軽症例;中等症例;重症例;消極的精神療法の長所と短所)
終章 文化と摂食障害
著者等紹介
柴田明彦[シバタアキヒコ]
1961年愛知県生まれ。1986年岐阜大学医学部卒業。岐阜大学精神神経科助手を経て、現職:岐阜市民病院精神科デイケアセンター長。医学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Akihiro Nishio
6
素晴らしい本だった。積極的治療は、患者のために行われているのではなく、治療者のために行われているというのは全くその通りだと思う。最近は、問答無用で拘束を行い無理やり栄養を補給して、体重が戻ったらバイバイという治療?がすっかり主流になってしまったが、こうやって陰ながら患者を支える治療が大事であることをあえて表明したことの意味は大きい。どうしても、積極的治療をやっている人のほうが偉く見えるものなので。2014/07/12
たらこ
2
治療者側の不安をどこまで抱えられるかが勘所。SFA的発想に近い実践か?2015/07/20
huchang
0
実務者向け。サブタイトルに「消極的」とあるが、実際にはClに真摯に向き合い、何が起こっているのかを常にモニターしながら積極的によくなろうとしてもらおうとする、非常に神経を使うやり方なのがよくわかる。治療者が自分や医療の限界を常にわきまえておくことは、勇気のいることだ。著者のユーモアがちょいちょい出てきているのも、好感が持てた。摂食障害のCl持ってなくても、著者の姿勢には学ぶことがたくさんあった。おすすめ。2020/04/11