実践入門 解離の心理療法―初回面接からフォローアップまで

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  • サイズ B6判/ページ数 181p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784753310470
  • NDC分類 493.74
  • Cコード C3011

出版社内容情報

解離性障害は今日比較的よくみられる病態であり,初診のセラピストがそうした患者にセラピーを提供する機会も増えている。本書は,臨床経験豊かな著者が,初回面接から終結,フォローアップまで,解離臨床の各局面で想定される事態とその対処について,症例を交えつつわかりやすく解説するものである。

内容説明

この本では、解離性障害の心理療法に関する著者の実践のエッセンスを描写する。著者のセラピーの基礎が精神分析である以上、精神分析的心理療法ということになる。しかし、本書が精神分析的アプローチを基礎にしていると言っても、精神分析の難しい理論や厳格な作法をマスターすることを前提にしていないので、初心の臨床家にも、あるいは、精神分析を自らの臨床のオリエンテーションとしない臨床家にも役立つと思われる。

目次

第1部 実践のための基礎知識(精神分析的心理療法;解離性障害の基礎知識)
第2部 実践のプロセス(初回面接―出会いを味わう;アセスメント―病理を理解し、動機づけを評価する;心理療法をはじめる前に―方針の策定と初期マネージメント;心理療法の初期―困難を受け入れる;心理療法の中期―行き詰まりを乗り越える;心理療法の後期―荒波にもまれ耐える;終結―現実としての心理療法の死;フォローアップ―精神分析的心理療法の死を受け入れる)
第3部 実践のための大切な事柄(いくつかの事柄;解離性障害を持つ子どもの心理療法―いくつかの提言;ひとつのケース)

著者等紹介

細澤仁[ホソザワジン]
1963年栃木県に生まれる。1988年京都大学文学部哲学科美学美術史学専攻卒業。1995年神戸大学医学部医学科卒業。2001年神戸大学大学院医学系研究科助手。2007年兵庫教育大学大学院学校教育研究科教授。2010年椙山女学園大学人間関係学部教授。専攻、精神医学、精神分析、臨床心理学。現職、関西国際大学人間科学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

162
「今ここ」での気づきを誠意を持って伝える(解釈する)のが精神分析の基本らしい。解離とは傷つきに耐えようとして《心のある部分が持続的かつ強固に分かれてしまう》現象。分断された人格の間に記憶が共有されず、自分を機械のように感じる事もあるそうだ。著者の治療論の骨子は、患者の「防衛」を抱え直し、不安を軽減していくもの。初期の安易な共感の危険性、中期の解釈してもしなくても患者を傷つけるジレンマ、後期に現れる精神病水準の不安…こうした人為の限界に直面する事の治療的意味は、人間関係一般を考えるためにも大いに参考になる。2021/06/27

あくびこきぞう

3
安価でコンパクトなのに、大事なことがきっちり書き込まれていると感じさせられる本。著者が自分の経験から自分の言葉を紡ぎ出してくる胆力に感動しました。

林檎

1
解離性障害の精神分析的心理療法について、基礎知識から実践まで一通り書かれた本。その実践においては、健忘、スキゾイド的パーソナリティ、転移の扱いと困難なことが多く、セラピストは身動きできない状況におかれる(患者は、精神病水準の不安に陥る)。その際、セラピストができることは「患者が必要としたときに、傍らにいてあげることだけ」で、実際は「患者に関心を向けつつ、傍らにいる」こと。著者はこれを「生き生きとした関心」といい、理論や技法はそれ自体に意味があるのでなく、これを支える『道具』と言いきっていて、よかったです。2018/05/28

asagon

1
解離を精神分析的心理療法の視点から捉えている。こうしたら治りますよ、というハウツー本ではなくて、解離のクライエントさんの心理療法を行うと、こんなことが起こり得ますよ、ということが、重症から軽症の場合まで、精神分析的に不案内な人にもわかりやすくコンパクトにまとめてある。2012/12/24

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