出版社内容情報
初学者や他技法に基盤をおきつつ認知療法も学びたい臨床家向けの入門書。従来の認知療法テキストでは見落とされがちな治療関係を詳述するほか、認知療法にある他学派・他技法の統合的性格に着目するなど、独自の視点を打ち出した「新たな認知療法論への手引き」。
内容説明
本書の特徴は、治療関係と心理療法の統合にある。第4章では、感情的(体験的)技法を取り上げることによって、認知療法の技法の幅を拡大し、心理療法の統合に向けた試みがなされている。第5章には、認知療法では論じられることの少ない治療関係が詳述されている。第7章において、現代心理療法の系譜がわかりやすく展望されている。これらの潮流の一方で、統合・折衷的心理療法が、理論統合アプローチ、技法折衷アプローチ、共通要因アプローチ、同化的統合アプローチに分類され、議論は統合的方法としての認知療法に至る。精神分析療法、行動療法、クライエント中心療法などとの関係に続いて、認知療法の統合性が複数の視点から主張される。
目次
第1章 認知療法の考え方―成立と理論
第2章 セッションの進め方―認知療法セッションを構造化する
第3章 認知アセスメント
第4章 認知療法の介入技法
第5章 認知療法における治療関係
第6章 認知療法を実践的に使う―症例を通して
第7章 心理療法の中の認知療法―統合的方法としての認知療法
著者等紹介
東斉彰[アズマナリアキ]
1987年関西学院大学大学院文学研究科博士前期課程修了。1988年大阪心理療法センター所長。1989年九州大学医学部付属病院心療内科技官。現職、財団法人住友病院臨床心理科主任、大阪大学大学院/龍谷大学大学院/追手門学院大学大学院/大阪経済大学大学院/関西福祉科学大学大学院非常勤講師、同志社大学・実証にもとづく心理トリートメント研究開発・普及促進センター嘱託研究員(アドバイザー)、日本産業カウンセラー協会/関西カウンセリングセンター講師およびスーパーバイザー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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