出版社内容情報
精神分析という知の対話的発展を語り下ろす待望の'ド巻 一フロイ ト以後の発展と して, 対象関係論を中心に, 自我心理学, クライン, ビオン, フユアバーン, バリント, ラカ ン, そして現代の精神分析を論じる。 理論的な入門であると同時に, 臨床への示唆にも満ちた, 生きた精神分析の講義録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
スミレ雲
5
【図書館本】上巻の続き。フロイト以降の人の話。ユング、クライン、ウィニコット、ラカン、フィレンツイ、ビオンなど。大きく分けると、自我心理学の流れと対象関係論の流れの二つらしい。著者が対象関係論にシンパシーを持っているので、そのあたりが丁寧にボリュームが多い感じ。もっと精神分析の勉強がしたくなった。2018/02/26
なみこ
5
精神分析の各学派の理論がわかる、というよりも、学び方というかたどり方や味わい方がわかる本です。 言葉にすることの難しさと厳しさを私は勝手に読みとりましたが、読んでいて楽しい本でした。2015/03/18
ポカホンタス
4
講義形式で、話し言葉で書かれているので非常にわかりやすい。理論的なことはほどほどで、現実的な話、下世話な話も赤裸々に語られており、そういう面でも面白い。また正統的な精神分析の立場にある人がラカンに言及していることも画期的。精神分析やっている人がみんな藤山先生みたいな人だったらよかったのにな。2015/10/27
ひろか
4
上巻同様おもしろい。フロイト以後の精神分析を解説。何度読んでもおもしろいし、理論だけでなく背景にある人間関係についても知識が広い。2010/08/11
シチミ
3
何度目かの読み返し。クライン部分。「乳児はまるごと空想的」。空腹=「何かすごく悪いものがバーッと自分を攻撃してバラバラにしている」「おっぱいが攻撃してくる」 乳児には「ない」という概念がない。 「抑うつポジション」は神経症的「妄想ー分裂ポジション」は、精神病的 「妄想ー分裂ポジション」=「迫害的な不安」「悪い対象、悪いものを外側に排出して、それがまた自分に向かって迫害してくる、攻撃してくる、そういう不安だし、最終的にはそうやって自分が破壊していくという壊滅の不安」 「抑うつポジション」=「対象喪失の不安」2021/02/28