内容説明
『行動療法2』を出版してから、また六年近くが過ぎた。その間に発表した論文のいくつかを『行動療法3』としてまとめて、出版することになった。行動療法は臨床手段の一つである。臨床の道具、方法である。臨床の場で展開されることがらを把握し、理解し、援助する方法の体系にすぎない。著者は、行動療法はそれらの方法をもって臨床に応じて、役にたつことで、行動療法という治療法になっていく、とずっと主張してきた。そして、方法はそのつど、その臨床ごとに自在に実際の形を変えるものである。本書では、そこのところ、方法としての行動療法、を表現したいと考えて章をわけた。
目次
第1章 何をするのか、何ができるのか(精神療法の本質―何をするのか、何ができるのか;神経症治療と行動療法 ほか)
第2章 臨床のそこ、ここ(行動療法を役立たせるための技術;来談動機をめぐって ほか)
第3章 どのようにみるのか、どのように考えるのか、どのようにするのか(症例とコメント)
第4章 臨床手段―行動療法(Evidence based Psychotherapyと行動療法;行動療法という臨床手段 ほか)
著者等紹介
山上敏子[ヤマガミトシコ]
1937年福岡県に生まれる。1962年九州大学医学部卒業。1963年九州大学医学部神経精神医学教室入局。1969年~1970年米国テンプル大学留学。1974年~1984年九州大学医学部講師。1985年~2001年国立肥前療養所臨床研究部長。2001年~久留米大学文学部教授
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