内容説明
本書では、臨床医が第一線の診療で最もよく出会う症候のひとつである頭痛をとりあげた。頭痛の原因としては脳原発の病気、たとえば脳腫瘍や脳炎だけではなく、肺性脳症や高血圧性頭痛などの内科的疾患があり、この点についても知識を整理しておいた方がよい。髄膜刺激症状や脳圧亢進を伴う頭痛をみたとき、側頭動脈炎による頭痛など、放置すると失明するような“medical emergency”に遭遇した際は、緊急対応の判断を下す必要がある。最近では、高齢患者が特に増え、また現代社会のストレスによる心因性も少なくない。これらに対処するポイントは何であろうか。このような観点より、頭痛診療のすべてを系統的かつ簡明・簡潔にまとめたものが本書である。
目次
総論(頭痛の分類;頭痛の疫学;頭痛と痛覚感受組織;代表的な頭痛のメカニズム;頭痛患者の問診と診察上の注意 ほか)
各論―診断と治療(片頭痛;片頭痛と視覚誘発電位;群発頭痛;緊張型頭痛;脳血管障害による頭痛―くも膜下出血、側頭動脈炎を含む ほか)