内容説明
国籍か、出身地か―。在日朝鮮人史、外国人登録と出入国管理制度の戦後史、国籍をめぐる日朝関係史から読み解く、「分断状況」を生きる尊厳としての「朝鮮籍」。
目次
序章 朝鮮籍をめぐる問い
第1章 朝鮮籍の誕生―「地域籍」から「出身地」へ
第2章 南北分断の傷痕―韓国籍の登場
第3章 戦時下の「国籍選択の自由」―朝鮮戦争と国籍問題
第4章 国籍に刻まれた戦争―いかにして朝鮮籍は継続したか
第5章 同床異夢の「朝鮮国籍」―停戦から帰国事業へ
第6章 日韓条約体制と朝鮮国籍書換運動
補章 再入国許可制度と在日朝鮮人
終章 朝鮮籍という錨
著者等紹介
鄭栄桓[チョンヨンファン]
明治学院大学教養教育センター教授(歴史学)。1980年、千葉県に生まれる。明治学院大学法学部卒、一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了(社会学博士)。立命館大学コリア研究センター専任研究員、明治学院大学教養教育センター専任講師、准教授を経て現職。専門は朝鮮近現代史・在日朝鮮人史。著書に『朝鮮独立への隘路 在日朝鮮人の解放五年史』(法政大学出版局、2013年、第13回林鍾國賞受賞(朝鮮語版))等がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
21
在日朝鮮人の国籍問題としての「朝鮮籍」を、国籍をめぐる日朝・日韓関係史に位置づけながら実態を明らかにしていく。また、朝鮮籍が国籍法上の概念としてよりも、日本の外国人登録制度上の概念として存在し続けてきた面にも焦点を当てている。韓国籍から朝鮮籍への書換要求が高まった時期、司法は朝鮮人の真の国籍は「朝鮮」であるとの解釈を示す、ここでの「朝鮮」は朝鮮民主主義人民共和国ではなくサンフランシスコ平和条約によって独立を承認した「朝鮮」を指す。この辺りもこの問題を複雑にしてきた要因の一つかもしれない。2022/11/10
takao
2
ふむ2024/09/14