資本主義後の世界のために―新しいアナーキズムの視座

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  • サイズ B6判/ページ数 211p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784753102679
  • NDC分類 309.7
  • Cコード C0010

内容説明

想像力の領域に切り込む人類学的価値理論が、歴史と民衆を未来へと拓き、希望なき資本主義社会のオルタナティヴを提示する。

目次

D・グレーバー/インタビュー1 新しいアナーキズムの政治(新しいアナーキズム1―組織論について;新しいアナーキズム2―戦術をめぐる攻防;マルクス主義とアナーキズム1―戦略分析と実践倫理 ほか)
D・グレーバー/インタビュー2 新しいアナーキズムの哲学(社会学とユートピア;理性と道理;贈与の類型学 ほか)
D・グレーバー/論文 負債をめぐる戦略
D・グレーバー+矢部史郎/対話 資本主義づくりをやめる(前衛主義と暴力をめぐって;フェミニズムと低理論の実践;自律と表現)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

sakanarui2

8
右か左か、資本主義か、といった二項対立ではないオルタナティブな選択肢としてのアナーキズム。世界と関わり、共有地を取り戻し、あらゆる暴力を否定する。ケアの倫理、労働の価値、etc。正気を保って生きて行くヒントが得られる本。インタビュー集なのでとっつきやすく、細かい脚注がついていて親切。 グレーバーの言葉を読んでいると、アナーキズムの根底にあるのは愛であり、人間への信頼であると感じる。もっと生きていてほしかった。2022/11/30

roughfractus02

7
資本主義は近代、国家の基盤の維持かその刷新かという左右に分岐する流れを作った。東西冷戦後のマルクス主義退潮と新自由主義隆盛の中、著者はA・スミスに発する人間を主体とした国家経済に関する政治的存在論がA・ネグリのマルチチュードの構成的権力概念にも潜む点を指摘しつつ、別の道筋を模索する。本書は世界的に頻発する天災人災によってシステムが崩壊する際に生命の危機の場面で出てくる人と人との一次的関係の構築を、想像力や価値創造を行う脱構成的趨勢と呼び、M・モースの贈与経済を念頭に国家から自律する空間としてモデル化する。2025/01/25

Daimon

1
いたって穏当なアナーキズム。そもそも共産主義というシステムが社会を覆うことなどあるのだろうか?否、我々が生活している中にそうしたーいやむしろ、そうしてものがなければ生活が成り立たないようなーものとして既にして組み込まれているではないか。そうしたものを直截に見つめ、資本主義後の社会を考えられないか?いたって穏当である。面白いのは、こうした連帯が、「最も疎外されていない人びと(例えば芸術家)」と「最も抑圧されている人びと」が出会うことによって結成され、社会変革に繋がっていくという示唆だった。2017/08/04

ルートビッチ先輩

1
「資本主義とは、結局、現存する共産主義を管理する一つの方法」。本書はデヴィッド・グレーバーのインタビュー2本(「新しいアナーキズムの政治」「新しいアナーキズムの哲学」)と論文「負債をめぐる戦略」と矢部史郎との対談「資本主義づくりをやめる」から成っている。手の届く範囲以上の大きなものは不可能だと認識することによって、現実が逆説的に把握できる。ユートピアを批判し、自然な社会関係などそもそもないという資本主義批判のかわし方はそこから批判できる。多くのものをまとめあげていく権力に抗い個と個の関係から発想する。。2015/07/12

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