多様なるものの詩学序説

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  • サイズ B6判/ページ数 224p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784753102556
  • NDC分類 954
  • Cコード C0010

内容説明

新進気鋭の作家による明解な翻訳で届ける、グリッサンによるグリッサン入門。

目次

カリブ海地域とアメリカ地域におけるクレオール化
言語と言語活動
文化とアイデンティティ
混沌‐世界:関係性の美学のために
対話(諸言語の想像的なもの;作家と場所の息吹き)

著者等紹介

グリッサン,エドゥアール[グリッサン,エドゥアール][Glissant,´Edouard]
1928年マルティニク島生まれ。現代カリブ海文学を代表する詩人、小説家、思想家

小野正嗣[オノマサツグ]
1970年大分生まれ。東京大学大学院単位取得退学。パリ第8大学文学博士。現在、明治学院大学文学部フランス文学科専任講師(現代フランス語圏文学)。著書に『水に埋もれる墓』(朝日新聞社、2001年、第12回朝日新人文学賞)、『にぎやかな湾に背負われた船』(朝日新聞社、2002年、第15回三島由紀夫賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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スミス市松

16
〈全-世界〉を説明することはできない。私にできるのは、混沌-世界にさらされて受けてきたこと感じてきたことすべてを総動員して、私自身が〈全-世界〉への感覚を研ぎ澄ませ、私の〈全-世界〉を見出し、それがどんな風景だったか必要としている人たちに伝えていくことだけだ。〈全-世界〉の限りないパラフレーズの中にこそ、錯綜する〈関係〉の感覚によって見出される複合的存在としての私=あなたがいる。また戻るために。連帯していなかったすべてのものを結び合わせ、再結集させ、結びつけ、繋ぎ、中継する――来るべきリヤンナジのために。2015/11/01

zumi

12
予測不可能な結果を生み出す、異質な要素が存在するものーー詩的イメージを喚起し、世界全体で提起されなければならないものーーすなわち、「クレオール」。思考は、言語は決して単一ではない。イマジナールは、いま混沌となりつつある世界で、口承とエクリチュールを結びつける。言語のために我々は、何ができる? 一つの大きな問いに対し、彷徨すること、移動すること、移し替えることなどの見解も提示される。クレオール詩学の地平を切り開く本。良い。2014/08/22

しまうま

8
翻訳はフーガです。つまりかくも美しくも諦めなのです。たぶん翻訳行為において何よりも推しはかるべきなのは、この諦めの美しさなのです。(p60より引用)2016/07/22

しまうま

7
【Most Impressive Book in 2016】10年以上、自分がどういう種類の文章を書いているか自覚できてなかったけど、これを読んで、僕は僕が翻訳家であることに思い至った。それは肩書きというよりも、自転車におけるブレーキシステムみたいなもので、ある場所を目指すためにあると便利な拠り所、的なものだとは思う。「翻訳家」という名はあくまで仮で、その本質が捉えているシステムこそが大切なのだと今ならわかる。ようやくひとりの物書きとしてブレーキシステムの助けを得ることができるのは、僕にとって大切な一歩だ2016/05/02

youtom

0
自分を失うことなく開かれるということの詩学。「いま、ここ」は私たちの想像以上に開かれている。2012/06/29

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