感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケロリーヌ@ベルばら同盟
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1960年代、英国パブリックスクール同窓会の会長の座を巡って繰り広げられる、古希を過ぎたオールド・ボーイ達の悲喜交々。人生の黄昏の時期を迎え、名門校出身である事の矜持や、昔の仲間との交流に縋って送る日々の寂しさ、滑稽さがユーモアを湛えた筆致で描かれる。全寮制学校の"伝統"、ホテルという名の老人専用下宿、家政婦に媚びる富豪、妻の反撃にタジタジとなる頑固親父…。いかにも英国的な設定が面白いけれど、団塊の世代が、次々とリタイアしている現代の日本にも大いに通ずる所があると感じた。2019/08/05