内容説明
本気で短歌を学ぶ人へ、上達の秘訣大公開。骨太の入門。永久座右版。旅の歌の詠み方・佐藤佐太郎の歌会指導実録も収載。
目次
1 作歌入門のポイント(短歌を作りやすくする一〇のポイント;旅の歌を作りやすくする七つのポイント;吟行のポイント―積極的に新しい素材に立ち向かう)
2 作歌上達のポイント―作歌者への助言(私の作歌心得;作歌者への助言;結社と歌論)
3 推敲のポイントと添削例(推敲のポイント―よくある失敗;添削例―みずから「悟り得る」添削のポイント)
4 天の声抄―佐藤佐太郎の歌会指導(よい歌の条件;改善のポイント)
著者等紹介
秋葉四郎[アキバシロウ]
昭和12年(1937年)、千葉県生まれ。歌人・文学博士。昭和42年「歩道」入会、佐藤佐太郎に師事。現在「歩道」編集人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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太田青磁
19
作者が実際をよく見て、独自にみているところ、捉えているところがある・情景が新鮮で味わいがある・感じ方が常識的でなく、中身がある・簡明、簡潔、単純にて、よく分かり自然に納得できる・固有名詞がはたらいている・直接端的である・声調がよい。余情がある・深刻ではなく平凡に見えるが様子、状態が生きて、よく出ている・事実だけを言っているのがよい・新古を超えた実質がある・必要なことだけを言って整然とし、単純に安定している・世の姿、人の姿が出ていて面白い・感情の波が自然に出ている・自然の変化、姿を素直に表現し得ている2015/09/06
双海(ふたみ)
13
初心者であっても歌論が要るとはっきり述べている。「信念となる歌論が実作と共に進んでゆかないと、作歌が継続できない」という。共感する。また、「自然を詠えれば歌の世界が広がり、詠えないと抽象、空想に行きやすい」という指摘もありがたい。2022/03/14
yomihajime
2
短歌は作らないがこの手の本はよく読むほうだと思う。短歌の今や方法論には関心は無い。リズムや浮かぶ映像、詩性などに興味があるためで、そのリソースが短歌でなく俳句でも詩でもいいのである。自分に取って大事なのはこの世界のオーソドックが抑えられているかどうか。著者は佐藤佐太郎に師事。作風はオーソドック。書かれている内容もオーソドック。しかしこのオーソドック、軽視されていないか?オーソドックスあってこその新しさ。ユニークさ。現代のリアルに照準を合わせたところで登れる山脈は小さい。2014/04/13
笛の人
1
短歌についてもっと詳しく知りたくて読みました。とても為になりました。まだまだ歌人の感覚というものがわからないところが多々ありましたが、著者の信念、歌論がよく著されているように感じました。短歌に興味を持ち始めた人にはあるあるだと思いますが、どういう歌が良い歌なのかわからない、ということがあると思います。その一つの答えを示してくれているので、短歌の入門書としてとても良い本だと思いました。歌人は各々歌論を持つべしということが強調されており、自分の短歌観を見つめ直すきっかけにもなりました。また読み返したい本です。2021/08/10