出版社内容情報
友達の家に向かうとちゅう迷子になって、前を歩くおばあさんに声をかけた、樹(たつき)。
あれ、このおばあさん、エツコ先生とよばれていた、認知症のおばあさんだ…。
エツコさんと5人の小学生の、少し不思議で幸せに満ちた「記憶」をめぐる連作短編集。
内容説明
エッちゃん、エツコさん、おばあちゃん…。5人の小学生が出会った、べつべつの、でも、どれもほんとうのエツコさん。日常がくにゃりとゆれうごく連作短編集。
著者等紹介
昼田弥子[ヒルタミツコ]
1984年岡山県生まれ。子どもの本専門店メリーゴーランド主催の童話塾で学ぶ。2015年、『ほんとはスイカ』(ブロンズ新社)で作家デビュー。『あさって町のフミオくん』(ブロンズ新社)で第52回日本児童文学者協会新人賞を受賞
光用千春[ミツモチチハル]
1986年神奈川県生まれ。漫画家・イラストレーター。2009年『こどものころから』が第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員推薦作品に選出される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
78
児童書。認知症。中村さん家のおばあちゃん(エツコさん)は認知症で、鈴のついたお守りをちりんちりんと鳴らしながらたまに一人で散歩している。エツコさんと子供たちは現実と幻想の間にある不思議な空間に出会う[1.迷子]友達とケンカして転校してきた男の子[2.雨やどり]宿題を教えてもらう[3.お守り]落とし物を届けて欲しい[4.きいろいやま]公園であったおじさんとの思い出[5.エツコさん]映画[6.記憶]幼児期健忘。忘れても、ちゃんとあったこと▽少しファンタジー2023/06/08
はる
70
良かったです。切ないけれど、ふんわりと温かな味わい。認知症のおばあさんエツコさんと、子供たちとのふれあいを描いた短編集。子供たちの純粋な想いと、エツコさんの次第に記憶が曖昧になっていく悲しみ。繊細でありながら、どこかほのぼのとした筆致に心が温かくなっていく。ラスト、エツコさんの孫の少女の想いも素敵でした。おすすめ。2023/03/21
ぶんこ
51
元小学校教師のエツコさんは認知症を発症しています。発症前から穏やかな人柄だったのがうかがえ、町の人々の目線も温かい。エツコ先生とひととき出会った人が、ちょっとした不思議世界を垣間見るのもたのしい。エツコ先生が身につけているお守りに亡くなったエツコさんの夫の写真が入っているのが微笑ましい。またそのおじさん(夫)が航平君に話しかけるのも素敵。仲良しご夫婦。いつもお守りの中から見守っているのでしょう。認知症で穏やかだった実母を思い出しました。2023/04/17
Roko
37
エツコさんは認知症で、町の中を散歩しているうちに迷子になってしまうことが度々あります。でも近所の人たちが気にかけていてくれるから、そんなに遠くに行かないうちに見つけてもらえて、家に帰ることができています。 認知症を隠すのではなく、こんな症状だから、みんなで助けてねというスタンスで暮らしているこの家族はいいなぁって思います。近所の人たちも、そんなエツコさんを優しく見守っているところがいいですね。#エツコさん #NetGalleyJP2022/12/27
NakaTaka
18
段々認知症が進んでいくエツコさんは、元小学校教師。エツコ先生と呼ばれてシャッキリしている時もあれば、ぼんやりしてしまう時もある。そんなエツコさんが道や公園等で、出会った子どもたちとの6篇。ストーリーにも事実と空想が混ざる。その中にはエツコさんの孫の真名ちゃんも。どの話も良かったが、④きいろいやまと⑥記憶が特に心にしみた。私も我が母を思いまた自分の行く末を重ねて読んだ。大人のほうが感動するかも。2023/05/06
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