出版社内容情報
3か月連続刊行の作家別傑作選第2弾。情報技術の未来を疾駆するポストサイバーパンクSFや改変歴史、青春小説など多彩な傑作集
内容説明
19世紀後半のメキシコ帝国。公爵令嬢が求婚者たちに要求したのは夜空に浮かぶ“月”の献上だった―婚姻のために月世界への技術開発競争が勃発する歴史改変SFの表題作ほか、ベーシック・インカムを扱った先進的作品「議論の余地はございましょうが」、人が架空人=フィクションになることを選んだ青春譚「雨ふりマージ」など全10篇を収録。膨大な活動を伴名練が纏め上げた解説3万字を併録する、著者初の個人傑作選!
著者等紹介
新城カズマ[シンジョウカズマ]
小説家・架空言語設計家。有限会社エルスウェア顧問。柳川房彦名義でグランドマスターをつとめたメイルゲーム「蓬莱学園」ワールドを小説化した『蓬莱学園の初恋!』でデビュー。2005年刊行の『サマー/タイム/トラベラー』(ハヤカワ文庫JA)で第37回星雲賞日本長編部門を受賞した
伴名練[ハンナレン]
1988年生、作家。著書『なめらかな世界と、その敵』(早川書房)、『少女禁区』(角川ホラー文庫)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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- 評価
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小太郎
33
SFに限らず幅広い活動をしている新城さん、やはり何と言っても「サマー/タイム/トラベラー」が圧倒的に良かったので、その他の作品ってどんなの書いているのか私としてはあまり知りませんでした。でも日本で一番SF好きな?伴名錬さんが選んだアンソロジーならと読んでみました。10編の中短編集、ジャンルもSFだけじゃないのものを含めた玉手箱のような一冊でした。「月を買った御夫人」「雨降りマージ」がお気に入り。ただ一番面白かったのは最後の伴名錬さんの「ゲームマスター・新城カズマは情報圏を遊歩する」でした。★3.52023/05/09
ひさか
27
10の短編を2021年7月ハヤカワJA文庫刊。日本SFの臨界点作家シリーズ2作目。振り返ると悪くない話ばかりなのだが、核になるアイデアを繰り返すギャグや勘違いで展開する読み辛い話ばかりが続くので、食傷気味になった。伴名練さんの解説が面白い。2021/08/31
サケ太
22
今まで表題作以外は「島津戦記」しか読んでいなかったが、どれも面白い。根拠のあるフィクション、これが面白かった。『ジェラルド・L・エアーズ、最後の犯行』、『月を買った御婦人』が面白い。『月を買った御婦人』は個人的に歴史改変SFが大好物なので何度読んでもいい。2021/07/26
みなみ
21
SFを中心としつつ幅広く活躍する著者の短編集。ノアの方舟を舞台とした「ギルガメッシュ叙事詩を読みすぎた男」や自らの個人情報を売って他人の遺伝情報を買う少女達を描く「アンジー・クレーマーにさよならを」がお気に入り。伴名練さんが編集されたものを何冊か立て続けに読んだけれど、どれも安定して面白いなぁ。2024/07/10
くさてる
21
その昔、昭和SFの御大たちの作品を読み漁った十代の頃を思い出しました。形式や構成、扱われているガジェットの差はあれど、発想の自由さと作品の持つ力は往時に負けず面白くて力強い。自由な発想、飛躍する想像力を楽しみました。2021/09/15
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