内容説明
大切に育てられた、美しい花、プリムラ・オーリキュラ。小さな庭をもつ、おばあさんに買われていきます。その庭では、自分をわらう花たちや、やさしいりんごの木と出会って…わがままで美しい花・オーリキュラの悲しくも幸せな成長物語。
著者等紹介
前田まゆみ[マエダマユミ]
神戸市生まれ。神戸女学院大学英文学科卒。おもに草花の絵を中心に1994年ごろから絵本作家として活動(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケロリーヌ@ベルばら同盟
62
農園で大切に育てられたプリムラ・オーリキュラは、優しいおばあさんの庭に植えられました。青空の下で他の草花に囲まれ、実にも、お料理にも、香水にも、お薬にもならない、ただ美しい花を咲かせるだけのオーリキュラはひとりぼっちでした。やがておばあさんが庭に姿を見せなくなり、世話をされない年月に、いちごやバラは雑草に取って代わられ、強い日差しや長雨から守ってくれていたりんごの木は立ち枯れました。根と葉だけで生きているオーリキュラに、小さな奇跡が宿ります。生命の循環、生まれて来た意味を静かに問う優しく美しい絵本でした。2022/11/01
anne@灯れ松明の火
25
ネットの何かでご紹介。地元になく隣市予約。プリムラ・オーリキュラは、農園のおじいさんに大切に育てられた。花屋に出荷され、おばあさんに買われ、庭に植え替えられて、大事に育てられるが……。顔を描いてあるわけでないけれど、オーリキュラのつぶやきから、生きている、成長していることが感じられる。初めは周りの優しさや愛がわからなかったのに、ある出会いから、それを知り、与えることができるようになったオーリキュラ。優しい絵とともに、心に沁みる。おじいさんに、おばあさんに、りんごの木にも、ありがとうが届いているはず。2022/06/11
しおり
23
絵本。プリムラ オーリキュラという花の日々を通して、人との関わり方や言葉の大切さを子供達に伝えていた。可愛らしい絵に引かれて借りたけれど、意外にもシビアな内容でビックリでした。2022/09/03
うー(今年も遅くなります)
23
〈絵本〉くだものでもなく料理にも香水にも薬にもならない「わたしはわたし」とツンと咲くオーリキュラ。年月を重ね周囲の優しさに気付き、自身も優しい気持ちが芽生えていく。柔らかな絵で心をふんわり包んでくれる。2022/06/01
みよちゃん
16
オーリキュラとおばあさんの話。オーリキュラは自分らしく咲いている。でも周りの草花は、役に立つ草花の方がえらいと思っている。でもおばあさんは大事にして、孫に言い聞かせる。ところがおばあさんが死んで、庭も花も寂しくなる。誰もいなくなったと思ったら、動物や木や草花が増えて庭が再生されてくる。寂しかったオーリキュラにも嬉しい事が。先日読んだオオカミの話を思い出す。2022/07/10
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