著者等紹介
升井純子[マスイジュンコ]
1957年、北海道札幌市生まれ、北海道教育大学卒業。小学校教諭をつとめたのち、童話・児童文学を書きはじめる。『爪の中の魚』(文溪堂)にて第1回ぶんけい創作児童文学賞佳作、『空打ちブルース』(講談社)にて第51回講談社児童文学新人賞を受賞。日本児童文学者協会会員。北海道子どもの本連絡会会員。「季節風」「まほうのえんぴつ」同人
小寺卓矢[コデラタクヤ]
1971年、神奈川県生まれ。北海道や本州の森林をフィールドに、森に息づくいのちの輝きを写真に収めている。学校や図書館等でのスライド講演の他、簡単写真絵本づくり講座、異ジャンルアーティストとのコラボ公演等を多数行い、全国を飛び回る。北海道子どもの本連絡会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とよぽん
57
さくらにもいろいろある、とは分かっていても人々は期待や感動を寄せて、気をもんで気分が上がったり下がったりする。花の色、花の付き方、花びらの数や形、木の大きさや枝ぶり、早咲き遅咲き、一本一本、桜の木の個性だ。と作者は言いたかったのか。何年も掛けて写真を撮って本を仕上げたという労作。咲いた桜が何とも可愛い,少女のような桜だ。2021/04/25
chiaki
51
北海道、日本一遅く咲く桜を雪解け前から開花までの様子を追った写真絵本。主人公にふさわしい桜となかなか出会えず、完成までに7年もの歳月がかかっているそう。主人公は豪雪地、北海道幌加内町のチシマザクラ。根元から枝が分かれ伸びており、背が高くならないのが特徴のよう!きっとその分、桜の香りもよく分かるんだろうなぁ♡『わたしがさく日はわたしがきめる おそくたってこれがわたし ちいさくたってこれがわたし』気高く美しく、凛とした姿に、私もこんな生き方をしたいなぁなんて思いました。 2021/05/11
ちえ
43
主人公は日本で一番遅く咲く北海道幌加内町のチシマザクラ(千島桜)。はやくはやく、とせかされながら、「わたしがさく日はわたしがきめる」と満開に。写真は北海道の写真を撮り続けている小寺卓矢さん。この絵本の作成には7年かかったそうです。今年の桜は早いかな。もう少し、もう少し待ち遠しい🌸2023/04/12
anne@灯れ松明の火
39
新着棚で。タイトルの「さくららら」がいい。日本人にとって特別な花、桜。桜を見ると、なんだか、鼻歌も歌いたくなるのかも? 後半のこの言葉が素敵だった。「わたしがさく日は/わたしがきめる」北国の桜が咲くのは遅い。でも、咲きたい時が咲き時なのだ。これって、きっと、花のことだけではない。足並みそろえなくてもいい。自分のペースで歩いていこう。 小寺卓矢さんの写真が美しい。撮影は7年がかりだそうだ。来年の桜の時期のおはなし会で読めるといいな。4:002021/04/18
陽子
33
日本で一番最後に咲く北海道の桜をモチーフにした絵本。見慣れた冬の風景から始まる桜開花を追った写真に見入ってしまった。この絵本は完成までに7年の撮影歳月を費やしたらしい。 「わたしがさく日は わたしがきめる」 ぎゅっとつかまれるワード。 北の寒さを乗り越えて、じっと時を待つ桜の心に共感。私たちと同じ想い。春の息吹は魔法のように地上を一気に駆け抜け変化をさせる。そんな春。「おそくたって これがわたし。ちいさくたって これがわたし」「人の思い通りにならないからこそ自然は素敵なのかも」そんな著者の感性も素敵。2021/03/24