出版社内容情報
6年生の二学期に突然転校することになった水口萌花。「30人31脚」に誘われ、思わず引き受けてしまうが、実は彼女は「驚異の鈍足」で……。ひとつの競技にそれぞれの思いを持って取り組む、水口萌花、中谷琴海、蒼井克哉の三人の心の動きを瑞々しく描いた児童文学。
内容説明
「50メートル向こうで、ぜってー笑おう」異なる思いを抱えて、それでも一緒に、前を向く。目指すのは、8秒台。一度も出したことのない、とんでもないタイム。いとうみくが描く、爽やかな青春ストーリー!
著者等紹介
いとうみく[イトウミク]
神奈川県生まれ。『糸子の体重計』(童心社)で日本児童文学者協会新人賞、『空へ』(小峰書店)で日本児童文芸家協会賞を受賞。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人
イシヤマアズサ[イシヤマアズサ]
大阪府生まれ。イラストレーター、漫画家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
65
6年生の青春ドラマ! ひとりの転校生によってメンバーがそろった日、半ばあきらめていた30人31脚への出場がかなう。雰囲気が一転したクラスが繰り広げる練習の日々の中、当然のように起こるトラブル。章ごとに視点人物が移っていくが、それが物語の必然になっているところがすばらしい。取り組めるものがあれば、やってみるのが若さの特権だ。6年生がこんなに大人なのに、中1って、子どもに見えてしかたがない。なぜかなぁ。担任の先生の「失敗」も、それはそれで、結果オーライだったかも。卒業後が楽しみな子どもたちでした。2020/02/27
chiaki
39
卒業までに子ども主導のチャレンジプロジェクトとして「30人31脚」をすることに決めた6年1組。目指すは8秒台、大会出場を決心するものの、人数足らずで出場権なしに。諦め掛けていた矢先に救世主の転校生が!見事出場権を得たクラスの喜びも束の間、とんでもなく足が遅い転校生で…。更に大会5日前にはキャプテンのまさかのケガ。様々なトラブルを乗り越えながらのドラマチックな展開にドキドキハラハラ。ちょっと恋あり、じんわり涙あり、彼らの青春のひとときに心熱くなりました!2019/06/10
杏子
23
久々によかった!30人31脚、最初はどうなることかと思ったけれど。この本は子どもたちにも自信を持ってオススメできる!小学校6年生に。爽やかな話だった。希望を持てる終わり方で、感動を呼ぶ作品になっていた。3人それぞれの章に分けられていたのもそれぞれの心情がわかりやすくてよかった。克哉の「ムリしてでも走りたい」は、無謀だったかもしれないけど、それもクラスのみんなの協力があればこそ。この作品を通してクラスのみんなの心を一つにして、頑張ればムリなこともムリじゃなくなるかもしれない。そういうことを学べる1冊。2018/10/15
みつばちい
19
6年最後のチャレンジで、クラス全員で30人31脚の大会に出る子ども達の話。3人の視点から描く。じんわり感動してしまった。人を羨んだり、自分が嫌になったり、無茶したり、無理したり、我慢したり、色んな気持ちを抱えながら成長していくストレートな話で読後が良かった。やっぱりいとうみくさん、好きです。2019/01/20
木漏れ日の下
18
いとうみくさんはうまい!栗山小六年の30人31脚への挑戦。最初の編から共感してすっと話に入り込めた。私も昔"連帯責任"には泣かされたな。それぞれ苦手なことってあると思う。朝が弱かったり忘れものが多かったり勉強あるいは運動。それを班やクラス単位で連帯責任にされる苦しさ今でも忘れない。でも本書のみんなの本音をぶつけ合った後の団結した姿には胸が熱くなる。団結したこと夢中になったこと、一生懸命になったことって絶対将来の自分を応援してくれる糧となる。こういう経験を強制ではなく、子供達が一つでも持てたらいいなと思う。2018/12/05