内容説明
若い画学生たちの生命の輝きをつたえる道標。小学生・中学生のための「無言館ガイド」。
目次
白い馬 茶色い馬
母の像
シャクヤク
家族
祖母なつ
天女の像
風景
妹・和子の像
曇り日
編みものする婦人〔ほか〕
著者等紹介
窪島誠一郎[クボシマセイイチロウ]
1941年、東京生まれ。「信濃デッサン館」「無言館」館主、作家。1964年、東京世田谷で小劇場の草分けとなる「キッド・アイラック・ホール」を設立。1979年、夭折の画家のデッサンを展示する「信濃デッサン館」を開設。1981年、生後すぐ別れた実父水上勉との再会までを綴った「父への手紙」(筑摩書房)で、作家デビュー。その後、六十余点におよぶ著作を刊行。1997年、戦没画学生の慰霊美術館「無言館」を開設。「無言館ものがたり」(講談社)で、第四十六回産経児童出版文化賞、第七回信毎賞、第五十三回菊池寛賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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anne@灯れ松明の火
9
新刊コーナーで。今春、訪ねた無言館。若くして戦争で亡くなった学生たちの美術品を展示している。これは、その展示品を紹介したガイド本。あの時の胸の痛み、切なさを思い出す。信州上田、なかなか現地まで訪れることができない方には、ぜひこの本を手に取ってほしい。後書きから「『戦争』という歴史が多くの若者たちから『自分を表現する歓び』ひいては『人を愛する歓び』を奪っていった事実を、私たちは忘れてはならない」「絵は愛するものしか描けない」2012/05/13
nekonekoaki
3
戦没画学生慰霊美術館「無言館」の展示作品の一部で24点が掲載されています。家族の肖像画やふるさとの風景が多く描かれたようです。戦地から届いた絵手紙には、現地の風景や人物の様子が活き活きとカラフルに伝えられており、受け取った方の喜びはひとしおであったと思います。60年の時を経てカンバスのあちこちから絵の具が剥がれ落ちている絵の中で、編み物をする妹さんの表情は当時と全く変わっておらず、それがかえって痛々しく感じられました。作者自らが遺族に会って聞き書きした文章がとてもリアルです。2012年4月30日初版発行。2024/11/04
yasuko
3
無言館とは戦争で亡くなった画学生さんの作品を展示している美術館。そんな美術館があることをこの本で初めて知った。戦争では多くの才能が無残に失われていったんだと痛感させられる。2019/12/12
ゆうちぃ
2
戦争しちゃダメと、理想や上っ面で言うんじゃなく、心から願わず叫ばずにはいられない。作者の多くが20代30代前半。どんな気持ちで描いたのか、と思うと、胸締め付けられて、たまらなく苦しくなる。 いつかこの長野県上田市にある「無言館」いかねば。平和って、当たり前にあるんじゃない。2021/07/23
pasta
2
本当にこれだけの才能が…普通に生きていればどんなに素敵な絵が生まれたでしょうね。勿論、全ての人に当てはまるのでしょうが。無言館の本は他にも色々あるのですが、今回の本は見開きで作品がどーんと載っていて、文章も簡潔なので、読むというより感じ取ることができる点が特徴かなと思います。2012/05/18
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