出版社内容情報
絵本 小学校中学年から
幼いころの病気がもとで、手足が不自由なきいちゃん。そんなきいちゃんが、結婚するお姉さんのために夕日色のゆかたをぬいあげました。結婚式の日、お姉さんはお色直しで……。養護学校の教諭である著者が綴った感動の実話です。
内容説明
養護学校の教員をしている著者が、そこで出会った、大切な友だち。きいちゃんは、きいちゃんとして生まれ、きいちゃんとして生きてきました。そしてこれからも、きいちゃんとして生きていくのです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
92
児童書。きいちゃんは小さいころ熱が原因で手足に障害が残った。家族から離れて施設で暮らしているきいちゃんは、結婚する姉の結婚をとても喜んでいた。だけどお母さんがきいちゃんに結婚式に出席しないでほしいといった。涙を流すきいちゃんと、先生は一緒に布を染め、お姉さんのために夕焼け色の浴衣を縫う▽とても優しい、いいお話でした。「人と人はどんな関係であっても、教えあい学びあい、助けあっていきているんだと思ったからです」1999年刊2022/05/13
へくとぱすかる
79
障害のある人や、その家族に対する目線は、はたして昔にくらべてどうなのだろう。姉の結婚式という場への心配が、きいちゃんのお母さんのためらいとなるが、きいちゃんは姉にゆかたを縫ってあげることで立ち向かう。そして、式場での姉の言葉がじつに立派だ。この言葉こそ出席者みんなの心のバリアをくずせたのだから。でも考えてみたら、これは幸せに解決した場合であり、本来は努力や特別なあいさつもなしに、自然に結婚式が進んでいくのが、あたりまえのことでなくてはならない。そんな世の中にしていくことが、私たちの課題だ。2021/10/20
はる
67
読友さんの御感想から。あたたかい。何て素敵な物語。小さい時の高熱のせいで身体が不自由なきいちゃん。お姉さんが結婚することになったのですが、結婚式に出ないでほしいとお母さんに言われてしまいます…。作者は養護学校の先生。きいちゃんだけでなく、お母さんやお姉さんの気持ちも汲む優しさがとてもいい。多田順さんの挿絵も素敵です。2020/07/28
naoっぴ
65
小さい時の病気がきっかけで不自由な身体になってしまったきいちゃん。お姉さんの結婚式には出られないからと、先生と一緒に考えて頑張って作ったお姉さんへのプレゼントが、思いもよらない形で自分の未来にかえってくる。とても素敵なエピソード。養護学校の教員である作者・山元加津子さんのあとがきが心に染みました。「人は皆、どんな関係であっても教えあい学びあい、助け合って生きているんだ。」いいお話でした。2015/11/26
どあら
34
図書館で借りて読了。1999年度初版本。とても良いお話でした💕😊2021/12/07