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出版社内容情報
絵本作家どいかやがライフワークとして取り組む、先住民の昔話絵本第1弾!位の高い熊の神が、踊りの上手な若者に惹かれ、度々地上…絵本作家どいかやがライフワークとして取り組む、先住民の昔話絵本第1弾!位の高い熊の神が、踊りの上手な若者に惹かれ、度々地上に降りてくる。はたして、その若者の正体は?
萱野 茂[カヤノ シゲル]
どい かや[ドイ カヤ]
内容説明
アイヌのむかしばなしには人生に大切なことがたくさんつまっています。遠いむかしから語り継がれてきた先住民族の知恵に耳をかたむけてみませんか?
著者等紹介
萱野茂[カヤノシゲル]
1926年、北海道沙流郡平取町二風谷生まれ。北海道の先住民族・アイヌ文化の研究者であり、自身もアイヌ民族として、アイヌ文化やアイヌ語の保存・継承に力を注いだ。金田一京助、知里真志保氏らと知り合い、金田一京助のユカラ研究を手伝う。アイヌの民具、民話を自ら収集し、約2000点の民具をもとに’72年「萱野茂二風谷アイヌ資料館」を開設。’88年、私財を投じて道内で初めてのアイヌ語塾を主宰。その間、平取町議会議員として5期務めたあと、参議院議員としてアイヌ文化振興に関する「アイヌ新法」の制定に尽力し、’97年施行された
どいかや[ドイカヤ]
1969年、東京都生まれ。東京造形大学デザイン学科卒業。絵本作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
seacalf
82
とても素敵。あまり馴染みのないアイヌの文化風習の一端を、可愛いらしい絵とユニークな昔話で語ってくれる。山や川、太陽に星、食している動物たち、はては人が作った道具にまで、全てのものをリスペクトする気持ち。それを押しつけがましくなく、学び気付かせてくれるアイヌの教え。『ゴールデンカムイ』を読んでから俄に注目しているアイヌ文化に触れられる良い機会。まさかこなべがね~。先住民族の知恵をわかりやすく可愛らしく紹介してくれたどいかやさん、今後も注目だ。2019/03/17
♪みどりpiyopiyo♪
80
これはこれは♡ たのしいお話を読みました♪ アイヌの くまの神さま の昔話です。はてさて『ひまなこなべ』とはどういう意味でしょう? ■既刊の本の文をベースに、絵本のために加筆修正したそうです。物語に入る前に、くまの神さまから(どいさんから)アイヌについて 少し説明があるのも良いですね。絵と、導入の説明と、あとがきは、どいかや さん。■弓矢が放たれる場面の絵画表現が斬新です! この場面を含め、全ての絵に可愛らしさとハッピー感が溢れているのが、とても良かったです ( ' ᵕ ' ) (2016年)2017/11/14
yomineko@ヴィタリにゃん
76
「ひまなこなべ」アイヌ語だ!!!と思って、調べても出て来ないので読んだら「暇な小鍋」だと分かった✨✨✨どいかやさんの頭の良さに感動する絵本。もっと沢山読みたいです。これが2022年1月最後の本になりました。2022/01/31
がらくたどん
57
私たちは食べる物や使う道具の「元の姿」をほとんど知らずに暮らして行けます。元の姿を知っているとむしろ心がモゾモゾする事もあります。一番分かりやすい「かわいそう」というモゾモゾを乗り越えた先にある「最後まで大事に扱う」事で自分と食べ物や道具が響き合うようなアイヌに伝わる神様のお話が優しい文章とどいかやさんの暖かな絵で沁みてくる絵本です。アイヌの村を訪れた熊の神様が目にした踊りの名手。その正体が知りたくて・・。ほんとに好奇心旺盛でなんともお茶目なアイヌの神様らしい神様です。画面に広がる手仕事の意匠が素敵です♪2025/07/08
天の川
57
狩猟民族であるアイヌは命を屠ることで生活を紡ぐ。だからこそ、命を大切にした民族なのだと感じる一冊。熊の姿を借りて人の世に下りてきてくれる神。アイヌは肉や毛皮をありがたくいただき、神の国に送り返すために盛大な宴を開く。宴で上手な踊りを見せてくれた若者の正体が知りたくて、何度もその身を人々に差し出す神が知った正体は、宴では使われることのない小さな鍋の化身。鍋も人々が大切に使ってくれることに感謝していて…。誰もが互いに対し感謝の意を持つ物語の豊潤さに、アイヌの文化を奪った日本の政策の罪深さを思う。2024/08/25