内容説明
紀元前1500年、青銅器時代のギリシア―ある日、とつぜんあらわれた敵は、青銅の鎧に身を包んだ怪物だった。その男は、顔に灰を塗りたくり、長いマントをまとった黒ずくめの戦士たちを従えていた。“よそ者”とさげすまれて山奥の洞窟で暮らす12歳の少年ヒュラスは、戦士たちから命からがら逃げのびた。なぜ、自分は追われなければならないのか?よそ者狩りから逃げたヒュラスは、大巫女の娘ピラと出会うが…ふしぎなめぐりあわせで手にした青銅の短剣―森羅万象に宿る神々に導かれるように、ヒュラスの壮大な旅がはじまった。
著者等紹介
ペイヴァー,ミシェル[ペイヴァー,ミシェル] [Paver,Michelle]
オックスフォード大学で生化学の学位を取得、ロンドンで弁護士として活躍したのち、執筆活動に専念する。石器時代のヨーロッパ北西部を舞台とした歴史ファンタジー『クロニクル千古の闇』シリーズ(評論社・全6巻)は世界的ベストセラーとなり、最終巻の『決戦のとき』で2010年のガーディアン児童文学賞を受賞している
中谷友紀子[ナカタニユキコ]
神奈川県生まれ。京都大学法学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
63
青銅器時代のギリシアが舞台。ある日突然武装した男たちに襲われた羊飼いの少年ヒュラス。離れ離れになった妹のイシを探そうと必死になりますが、どんどん予想もつかない展開になります。一族の思惑とヒュラスへの友情の板挟みになるテラモン、そして大巫女の娘としてかしづかれ育ったけれど自由のないピラ。3人の子ども達が嘘偽りない真っ直ぐな気持ちでぶつかり合い反発し成長していく姿に愛おしさを感じます。またヒュラスと絆を結んだイルカ スピリットも愛らしく頼りになる存在。美しい幻想と生々しい恐怖が一体となる魅力的な物語です。2023/04/30
星落秋風五丈原
50
カラス族など動物の名前がついた種族に分かれてはいるが、もう少し大きな人々の塊=地方都市が出来ている。よって有力都市の族長の息子テラモンは会ったこともない大巫女の娘ピラと婚姻を結び勢力を増そうとしている。そんな大人達の思惑に既に囚われているのがテラモンで、もともとヒュラスと親友であったことから二人の関係は壊れていき、更にこの先ピラを挟んでますますこじれそうだ。クロニクルシリーズでは主人公の心の友だったのはオオカミだが、今度はイルカ。そもそもイルカが戦う姿を見たことがない。2015/08/12
たんたんx
22
村の外で生まれたヒュラスとイシの兄妹は「よそ者」と呼ばれて、蔑まれ貧しい生活を強いられていた。ある日、カラス族の突然の襲撃によって兄妹は離ればなれになってしまい、ヒュラスの決死の逃避行が始まる。神々がまだ名前を持たない、青銅器時代の古代ギリシャを舞台にした物語だ。少年ヒュラスとイルカの交流が微笑ましいが、イルカの視点から海や人間達の様子が描写されているのも面白い。そして、人と宗教の関係についても考えさせられる内容になっている。Ⅱ巻へと続く。2016/08/28
クロ
17
『クロニクル 千古の闇』シリーズの作者、ミシェル・ペイヴァーの新シリーズ。今回は三千五百年前の古代ギリシャが舞台となっている。二年前に『古代ギリシャ展』という展覧会を見に行ったことがあり、当時のフレスコ画や壺などを思い出しながら読んだ。物語はまだ始まったばかり。主人公の少年ヒュラスと大巫女の娘ピラが反発しあいながらも助け合う姿がよかったのに、ラストは別れ別れになってしまう。二人の今後も気になるし、壊れてしまったテラモンとの友情のことも、謎の男アカストスはいったい何者なのかも気になる!!2018/10/28
Ra
13
読書中の気分はクロニクルシリーズと同じ感じ。あのドキドキ感、あの感動がまた再びやってくる期待大。今度の相棒は、純粋で最高にかわいいイルカ。5部作との事なので、ゆっくり時間をかけて太古の世界に浸っていたい。2018/07/03
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