内容説明
現代を代表する女性詩人の一人、新川和江。その、母としてのまなざしと、未来への祈りがこめられた美しい詩を味わってみましょう。
目次
可能性
ノン・レトリック1
記事にならない事件
わたしを束ねないで
母音―ある寂しい日私に与えて
どこかで
海への距離
地球よ
わたしの庭の…
青草の野を〔ほか〕
著者等紹介
萩原昌好[ハギワラマサヨシ]
1939年神奈川県に生まれる。東京教育大学、同大学院を卒業後、埼玉大学教授、十文字女子大学教授を経て、現在に至る。宮沢賢治学会イーハトーブセンター会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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annzuhime
27
図書館本。こちらも高校生の頃に好きだった詩人。「わたしを束ねないで」がすごく印象的で、ノートに書き写して何度も読んだ覚えがある。今改めて読んでも心に響く。母となった今では、子を思う新川さんの気持ちがよく伝わってくる。誰よりも守りたい存在。でも時に手放すことも必要。強く優しい母親の眼差しが、読んでいて温かい気持ちにさせてくれる。2018/01/08
syota
23
図書館の児童書コーナーで偶然見つけた本。新川さんは、以前何年か住んでいた土地にゆかりの詩人なので、詩は全くの門外漢ではあるけれど、この機会に読んでみようと手にとった。小学校高学年から中学生を対象にした編集だと思うが、大人の私が読んでも心にすっと入ってくる素晴らしい作品が多い。女性らしい柔らかさと母親の優しさが心地よい作品や、自立した女性としての芯の強さが伺える作品、イメージが大きく膨らみ幻想味さえ帯びている作品など、味わいも様々。作品ごとについている解説も分かりやすく、初心者の私にはありがたい。2016/08/30
遠い日
6
新川和江といえば「わたしを束ねないで」。強烈な印象を持った忘れ難い詩。何者でもない自分をこんなに明瞭に主張した詩に、目を覚まされた思いがしたものだ。自然のものを詠みこんだ詩に、人というものの生き方を重ねるのも興味深い。2017/04/18
葉鳥
5
「わたしを束ねないで」は学生の頃に授業で取り上げられた記憶がある。そのときはなんともなしに読んでいた詩だったが、たまたまこの本を見つけてその頃ぶりに詩を読んだときに、ストンと自分の中に入ってくる感覚があった。この感覚を大事にしたい。「名付けられた葉」も新川さんの詩だとは知らなかったので驚いた。2019/06/15
ハメ・ドゥースト
1
★★☆現代を代表する女流詩人。母としてのまなざしと、未来への祈りが込められた美しい詩。「わたしを束ねないで」「元旦」「名づけられた葉」「いっしょけんめい」2013/12/30