出版社内容情報
●内容紹介(版元ドットコムより)
作者の、画家として歩み始める原点を描いた自伝絵本。戦争で故郷を追われ、過酷な暮らしをしていた時期、父親の持ち帰った世界地図が少年だった作者にパン以上のものを与えた。
内容説明
戦争で故郷を追われたぼくたちが命からがらたどりついたのは、夏は暑く、冬は寒い東の国。食料はとぼしく、土をかためた床の上で眠る毎日に、あるとき、おとうさんは…。1枚の世界地図がぼくにくれた魔法の時間。絵本作家シュルヴィッツが子ども時代を語る感動の自伝絵本。2009年コルデコット賞銀賞受賞作。
著者等紹介
シュルヴィッツ,ユリ[シュルヴィッツ,ユリ][Shulevitz,Uri]
1935年、ポーランドのワルシャワに生まれる。4歳で第2次世界大戦をむかえワルシャワを離れ、パリ、イスラエルに移った後、1959年、アメリカに渡る。現在、ニューヨーク在住。主な作品に『よあけ』(福音館書店)、『ゆき』(あすなろ書房・コルデコット賞銀賞・日本絵本賞翻訳絵本賞受賞)、『空とぶ船と世界一のばか』(岩波書店・コルデコット賞金賞受賞)などがある
さくまゆみこ[サクマユミコ]
出版社勤務を経て、現在はフリーの編集者・翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
132
作者の実体験なのでしょうか?戦争中に祖国を離れて知らない街での厳しい生活をしなければならない子どもの視点から父親の役割を感じています。食べ物ではなく、世界地図を持って帰ったお父さんを最初はなぜ、という気持ちを持っていたのが地図の世界に入り込むことにより、空想の世界で楽しんでいます。如何に教育が大事かということを知らしめてくれます。2018/06/26
Kawai Hideki
113
良かった。ワルシャワの大空襲で家を焼かれ、トルキスタンに逃れた作者の自伝的物語。よその家族と部屋を分けて住む窮屈な生活、お金も食べ物も少なく、ひもじい毎日を送っていた。ある日、市場にパンを買いにいったはずのお父さんが、パンではなく一枚の世界地図を買ってくる。お母さんはがっかり、「ぼく」は憤慨。でも、次の日、部屋に色鮮やかな地図をはってから状況は一変。「ぼく」はひもじさを忘れ、ひろびろとした空想の世界に遊ぶようになる。まさに「人はパンのみにて生くるにあらず」。名作絵本「よあけ」の作者と知って二度びっくり。2015/03/22
Willie the Wildcat
97
豊かさ。物質的vs.精神的。目の前にはせる夢。夢を育ませたい。お父さんの機知。応える主人公。読後、巻末の補足で著者の実話であることを理解。実際に描いた地図付き!13歳に描いた町並みと共に、秀悦した画風。地図に”夢”か・・・。夢だよなぁ・・・。絵は、漫画風で優しさに溢れる。おとうさんの表情がお気に入り。「いつか皆わかってくれる!」という気持ちだったのかな・・・。2014/01/19
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
96
戦火を逃れ、何もかも失って命ひとつで外国にやってきた三人親子。生活は苦しかった。ある日、家族のため食料の調達に出かけた父の手にパンはなかった。「地図を買ったぞ」「パンは?」「地図を買ったんだよ」。夕食を抜くことになった家族はがっかり。ひもじいお腹を抱えて眠りにつく男の子の心の中は父への怒りでいっぱいだった。ところが次の朝、壁に貼られた地図を眺めるうちに、遠い外国のイメージが現れて、男の子は空想旅行に旅立った……。コールデコット賞に3度輝いた作家の子どもの頃の思い出。実話に基づいた絵本。2009年5月初版。2016/02/13
♪みどりpiyopiyo♪
60
心が どこまでもどこまでも羽ばたくような 素敵なお話を読みました♪ 1枚の世界地図がぼくにくれた魔法の時間。絵本作家シュルヴィッツが子ども時代を語る感動の自伝絵本です。■この本、あらすじも 他の人の感想も見ないで、カバー袖(カバーを折り返したところ)の紹介文も見ないで読んでみて☆ 邦題がとてもいいね。■2009年コルデコット賞銀賞受賞、第15回(2009年) 日本絵本賞翻訳絵本賞受賞(2008年)2018/06/16
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