内容説明
いつしか「パセリ」と呼ばれるようになった大シカと年とったもみの木のすてきな友情の物語。
著者等紹介
ベーメルマンス,ルドウィッヒ[ベーメルマンス,ルドウィッヒ][Bemelmans,Ludwig]
1898‐1962。オーストリアに生まれる。幼くして両親が離婚し、14歳で学校を中退、16歳で単身アメリカへ。ホテルやレストランで働く。自室の壁やカーテンに、故郷チロルの山々の景色を描いていたのが、編集者の目に留まり、初めての絵本「山のクリスマス」(岩波書店)をつくる。1939年、家族でフランスに旅行したときにアイデアを得て、自分、妻、母、娘の思い出を合わせてつくった「げんきなマドレーヌ」(福音館書店)が、大人気となり、「マドレーヌといぬ」(福音館書店)、「マドレーヌのクリスマス」(BL出版)など、次々と発表。その自由で洗練された筆致は、現在も多くの人を魅了し続けている
ふしみみさを[フシミミサオ]
伏見操。埼玉県生まれ。21歳のとき1年間渡仏。洋書絵本卸会社、ラジオ番組制作会社勤務を経て、絵本や児童書の翻訳や紹介につとめている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Rosemary*
21
マドレーヌシリーズのルドウィッヒ.ベーメルマンスの作品です。切り立った崖に育ったモミの木とそこに住みついたパセリと呼ばれたシカのこころ温まる友情物語。挿絵も好き。2013/12/24
絵本専門士 おはなし会 芽ぶっく
17
『小さな本の大きな世界』 https://bookmeter.com/books/10779963 で紹介されていた本。深い森の崖に立っているもみの木は、みんなと違って空に向かってまっすぐ伸びていません。大きくなるとシカが住みつきお互い助け合い年をとっていきました。シカはパセリが大好きで、いつしかパセリと呼ばれるようになりました。ある日崖下のふもとから猟師がパセリを見つけ…。 絵本に登場する46の花は、巻末に名前が紹介されています。5月4日は『みどりの日』2021/01/10
遠い日
14
読みながら、何度も、ベーメルマンスの絵はいいなぁと思う。森のはずれの切り立った崖の淵に、身をよじりながら、厳しい自然と戦いつつ根を張ってきたもみの木。そのもみの木と長い長い時間をかけて友情を育んできた鹿のパセリとの物語。クリーム色の地色が落ち着いた雰囲気を醸し出し、森の小さな植物たちを左ページ端に配することで、森の豊かな営みを感じることもできる。命がけで猟師からパセリを守ったもみの木の勇気に、きれいごとではない人との関わりがあることにはっとさせられる。2017/12/30
ヒラP@ehon.gohon
14
崖っぷちに必死に根を這わせた、真っ直ぐに育てなかったもみの木と、その根本に生えるパセリを食べている鹿たちの友情物語かも知れないけれど、鹿を撃とうとした猟師が崖から落ちていくところで息を呑みました。 友情物語のそばに厳しい現実があるのですね。 ページを開く度に描かれている花のスケッチが綺麗です。 最後のページに花の名前が記載されているのが嬉しかったです。2016/12/14
みよちゃん
10
マドレーヌでおなじみの絵本。クリスマスも近く、まだ読んでなかった。もみの木が年を重ね、自然と一体になるように感じた。2016/12/20